エンゼルス・大谷 オープン戦初登板1日前倒しで“侍仕上げ”加速 代表合流見据え志願の変更

[ 2023年2月24日 02:30 ]

ライブBPに登板し、力投する大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(28)のオープン戦初登板が28日(日本時間3月1日)のアスレチックス戦に変更された。22日(同23日)にフィル・ネビン監督(52)が公表した。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での登板を見据え、大谷の希望で当初の登板予定から1日前倒し。同学年でア軍入りした藤浪晋太郎投手(28)との投げ合いがいきなり実現する。

 大谷が自ら決断した。当初のオープン戦初登板は3月1日(日本時間2日)のブルワーズ戦だったが、28日(同3月1日)のアスレチックス戦に前倒し。フィル・ネビン監督は「我々と相談し、28日の登板は彼(大谷)のアイデアだった。調整して日本代表に合流するためだ」と説明した。

 調整とは何か。登板を1日前倒ししたことにより、最速で日本到着が3月3日から2日に、代表合流も4日から3日に早められる。同じメジャー組で、集合日よりも1日早く宮崎入りしたパドレス・ダルビッシュが「一日でも早く行った方が体が順応していく」と語ったように、時差ぼけ対策などのコンディショニングや、代表チームに早く溶け込む狙いがあるとみられる。

 練習スケジュールは一任されている。21日に打者として、この日は投手として予定より3日前倒しして実戦形式で打者と対戦する「ライブBP」に初登板した。7人の打者にカーブ以外の全球種39球を投げ、1安打3三振。最速97マイル(約156キロ)で「各球種もコマンド(制球)も良かった。もちろん改善点はあるけど、現時点では十分良かった」とうなずいた。敵地で遠征となるオープン戦初戦の25日(同26日)マリナーズ戦には同行せず、本拠での26、27日(同27日、28日)の2試合に野手でDH出場し、登板に備える。

 28日は同学年の藤浪も登板予定。このまま順当なら投げ合いが実現するが、平常心を強調した。「この時期はどこに投げるかより、自分がどういう感じで投げるかが大事。打席に立つかどうかは分からない。自分のやるべきことだけしっかりやりたい」。投げ合えば高校時代、プロ入り後のオープン戦と球宴に続き4度目となる。

 WBC本番前、最初で最後の実戦登板となる。そこから中8日で10日の1次ラウンド第2戦・韓国戦へ向かう見込み。その間の調整次第では本番の登板日が前後する可能性もある。1日前倒しの連絡を受けた宮崎合宿中の栗山監督は「来ても、体がどういう状態なのか。とにかくケガのないように最初の登板を終えてほしいことしか考えていない」と話した。名古屋での代表合流まで1週間。二刀流の仕上げは最終段階に入った。(テンピ・柳原 直之)

 ▼オハピー(今キャンプを通してバッテリーを組む捕手) インターバル中に「強めに投げたい」と言って、本当に球速を上げて投げて驚いた。そんな投手はあまり受けたことがない。

 ≪ピッチクロックへの対応「問題なかった」≫大谷は今季から試合時間短縮のために大リーグで導入されるピッチクロックへの収穫を口にした。計測器を置いて全て時間内に投げ「試合になればもうちょっと(時間が)延びるかなという印象だけど、今日は問題なかった」。捕手から球を受けてから、走者なしで15秒、ありでは20秒以内に投げないと、1ボールが宣告される。WBCでは採用されない。左打者ソトからスライダーで空振りを奪った際、周囲から「Good movement(いい変化)」と声が飛ぶと、「Too much(曲がりすぎ)」と上機嫌に答えるなど笑顔が目立った。

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2023年2月24日のニュース