落合博満氏 バットを振らないオープン戦の伝説「1試合だけだよ」

[ 2023年2月24日 17:05 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が24日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。ロッテ時代に1度もバットを振らなかったオープン戦の真相を明かした。

 1986年3月1日、鹿児島で開催された巨人戦。オープン戦初戦で、落合氏の出場予定はなかったが稲尾和久監督から「お客さんのために出ろ」と言われた。鹿児島は当時ロッテのキャンプ地。前年3冠王だった落合氏を見に来た客も多かった。落合氏は「バット振りませんよ」と伝えたが、稲尾監督から「振らなくてもいいから打席に立ってくれ」と頼まれた。

 有言実行で2打席11球を見逃して2三振。「稲尾さんもまさか1球も振らないとは思わなかったらしくてね、お前本当に振らねえんだなって言ってたけどね」と笑った。

 その年はストライクゾーンがボール1個分低く変更になっていた。目的はひとつ。落合氏の考えは「ストライクかボールか見るだけということで打席に立った。それだけだよ」と明快だった。

 この逸話が様々な解釈をされ「オープン戦は振らない伝説」がひとり歩き。落合氏は「常に振らないって風に言われるってのはおかしなもんだよ」と苦笑い。「振らないって言ったのがみんなの頭にインプットされちゃって、落合はオープン戦でバット振らないんだってのが根付いちゃっただけ」と続けた。

 落合氏はその時、打撃練習を始めて1週間ほど。実戦に入る前の準備段階だった。バットを振らなかった試合後、報道陣の質問には「お客さんには悪いけど、シーズン入ったらお返しするから勘弁してもらいましょう」とコメント。その年、2年連続となる3冠王を獲得した。まさに有言実行だ。

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