落合博満氏 オープン戦とは――。バットを振らないのにフルカウント「こんなコントロールじゃ勝てねえな」

[ 2023年2月22日 17:15 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が24日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。オープン戦の意味を解説した。

 落合氏は「オープン戦はいくら活躍したってシーズンには関係ないわけだからあくまで調整」と言い切った。レギュラークラスとレギュラーを狙う選手でも調整の仕方は違うといい、「必死こいてやるっていうのがレギュラー狙っていく選手」と話した。

 レギュラークラスは現役時代は監督から「何打席がいいか」と聞かれ、予定の打席が終わればレギュラーを争っている選手と途中交代する。ロッテ時代の1986年3月1日の巨人戦(鹿児島)はそもそも出場予定すらなかったが、キャンプ地でもあり、稲尾和久監督からファンサービスのためと頼まれ、「バットを振らない」と宣言して打席に入った。その年から変更になったストライクゾーンの確認だけが目的だった。

 相手の捕手にも「振らない」と伝えたが、1打席目は3ボール2ストライク。「勝負球は何かと思ったらど真ん中の真っすぐ。おい、このピッチャーこんなコントロールだったら勝てねえな」と、捕手に言ったことを覚えているという。2打席目は2ボール2ストライクから見逃し三振。予定通り1度もバットを振らずに2打席見逃し三振で退いた。

 「勝てねえ」と予言された、その時の投手は2年目の宮本和知。4年後の1990年に14勝を挙げるなど先発、中継ぎでフル稼働した。落合氏も「宮本はそれなりに勝ったけどね」と、珍しい読み違えに苦笑い。バットを振らない3冠王を相手に投げる妙な重圧を経験したことが宮本の成長に繋がったのかもしれない。

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