日本ハムドラ1矢沢 「新庄スペシャル」で「YAZAWA流」二刀流確立目指す

[ 2022年10月22日 05:16 ]

ドラフト会議で稲葉GM(左)が使用したIDを手渡される日体大・矢沢(撮影・村上 大輔)
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 日本ハムから1位指名を受けた投打二刀流の日体大・矢沢宏太投手(22)は、走攻守でのフル回転を宣言。今季から新庄剛志監督(50)が温めてきた秘策「新庄スペシャル」の一翼を担い、「YAZAWA流」の二刀流確立を目指す。

 矢沢は晴れやかな表情だった。指名あいさつで稲葉篤紀GMから「ナンバー2ではなくオンリーワン。矢沢流を目指そう」と言葉をもらったからだ。

 「どう(二刀流を)表現すればいいのかなと思っていた。どうしても大谷選手と比べられることは多いが僕は僕。そういう言葉をもらってうれしかった」

 二刀流の先駆者である日本ハムOBの大谷(現エンゼルス)は、主に投手とDHで出場してきた。しかし、大渕隆GM補佐兼スカウト部長は「“ネクスト大谷”ではない。スターター(先発)として1イニング投げて、すぐに外野に行くとか、いろいろ方法がある」と、前例にとらわれない起用法を改めて伝えられ、矢沢の迷いも消えた。

 「新庄スペシャル」にもマッチする。今季は打者の左右によって投手を一時的に外野守備に就かせ、再び戻す継投策を温めてきた。阪神での現役時代に師事した亡き恩師・野村克也元監督が、一塁と交互に起用するなどして使った戦法。しかし、外野では投手の守備力も求められ、今季は実現に至らず。しかし、矢沢は日体大では試合中に外野→投手、投手→外野などを経験しており、投手→外野→投手も、外野→投手→外野も可能だ。

 この日、新庄監督はインスタグラムに「矢沢君には試合途中で外野からマウンドに走ってきて、2人をトントンって抑えて。次の回に先頭打者で初球ホームラン。夢あるね~」と投稿した。事前面談でも「新庄スペシャル」での起用の可能性を聞いた矢沢は「僕は外野で出ていても、投球練習で何球か投げればマウンドに立てる」と望むところ。指揮官の秘策のピースとなり、「YAZAWA流」をつくり上げる。 (清藤 駿太)

 ▽野村スペシャル 野村監督が阪神時代に繰り出した継投策で、相手打者の左右によりともにサイドスローの左腕・遠山、右腕・葛西を交互に登板させる。代表的なのは00年5月21日の横浜戦で1―0で迎えた9回に5番手・遠山から葛西―遠山―葛西(遠山と葛西は投手と一塁の入れ替え)の継投で逃げ切った。野村監督は南海、ヤクルト、楽天の監督時代にも同様の作戦を駆使していた。

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2022年10月22日のニュース