オリ・由伸　3冠王・村上をねじ伏せる「ファンの方に注目してもらえる対戦、いつも通り思い切って」

＜オリックス・日本シリーズ前日練習＞ブルペンで投球する山本（撮影・篠原岳夫）
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　SMBC日本シリーズ2022は22日、神宮球場で開幕する。セ、パ両リーグともに2連覇したヤクルトとオリックスが、昨年に続いて対戦。1996年以来の日本一を狙うオリックスは絶対的エースの山本由伸投手（24）が初戦のマウンドに上がる。球団史上初となる2年連続で7度目の日本一を目指すヤクルト・村上宗隆内野手（22）は「絶対に打ちたい」と意気込んだ。投手4冠の大エースと打撃3冠の4番打者の真っ向勝負がシリーズを占う。

　山本がねじ伏せるのか。それとも、村上が打ち砕くのか。「投手4冠VS打撃3冠」。日本中の野球ファンが期待している力勝負を、オリックスの山本も分かっている。

　「ファンの方に注目してもらえる対戦だと思うので、いつも通り思い切って投げられればと思います」

　逃げはしないし、村上にもフルスイングで向かってきてほしい。今季の交流戦には登板していない。昨年は5月28日と、日本シリーズの第1戦、第6戦で対戦した。計10打席で9打数1安打、1四球に抑えている。本塁打も許していない。数字上では圧勝だが、「いいバッターなのは間違いないので」と警戒度はMAXだ。

　神宮球場での登板は18年に中継ぎで1イニングのみ。この日は左翼ファウルゾーンの屋外ブルペンで約20球の投球練習を行ったが、20日に実際のマウンドに立って高さや堅さ、景色を確認した。「チェックはしました。大きい問題は感じなかったですし、ゲームの中で微調整しながらアジャストしていきたい」。野手に交ざってフリー打撃にも加わったが、こちらは外野を越すような当たりは見られず、「打撃のことは分かりません」と笑った。

　中嶋監督はレギュラーシーズンもクライマックスシリーズも、そして日本シリーズもすべて開幕戦は山本を指名しており、「全てにおいて1戦目は由伸が行っていますので…」と言ったところで、「あっ、まだ言ってねえや本人に。軽くは言ったんだけど、間が開いて会ってなかったから。自覚しているとは思うけど」と大慌てで正式に通達しにいき、山本も「さっき練習中に小走りでやってきて言われました」と話した。監督と絶対エースのやりとりに、敵地神宮での前日練習でも、普段通りのムードだった。　（畑野　理之）

　○…勝利、防御率、勝率、奪三振の投手4冠に輝いた年に日本シリーズに出場するのは、昨年の山本自身に次ぎ延べ5人目。過去4人のシリーズでの勝利数を見ると（☆はチームが日本一）
年　　投手　（所属）＜勝＞
54☆杉下　茂（中日）3
59☆杉浦　忠（南海）4
81☆江川　卓（巨人）2
21　山本由伸（オリ）0
　と昨年の山本だけが勝ち星なしで日本一も逃しており、今季は勝ってV貢献となるか。