ソフトバンク・ドラ1、イヒネは伝説の少年だった!小学軟式時代の恩師が語った秘話 走攻守全てが規格外

[ 2022年10月22日 05:00 ]

指名挨拶を終え、永井スカウト部長(左)から渡された藤本監督と王会長のサイン入りボールを手に笑顔のイヒネ(撮影・椎名 航)
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 ソフトバンクがドラフト1位で単独指名した愛知・誉のイヒネ・イツア内野手(18)はどんな素材なのか。スポニチは鷹の将来を託された超大型遊撃手のルーツに探る「イヒネの逸話」を3回に分けて連載する。初回は小3から在籍した軟式の「瑞穂イーグルス」時代にイヒネを指導した古川秀之監督(44)に、当時のことを聞いた。

 “鷲”の瑞穂イーグルスが原点だったイヒネが“鷹”に1位指名された。イヒネは小3で入り、投手だった自身の長男・秀将も小4から仲間入り。2人を一緒に約2年半指導した古川監督はプロ生活を少しだけ不安視する。「期待より不安でして。イツア大丈夫かな。頑張ってな! ちゃんとやれよという感じ」とエールから入る。

 左腕の長男と保育園、中根小、萩山中、中学軟式の「東山クラブ」まで一緒。長身で細身のイヒネは打撃は平凡だが快足と守備は敵なしだった。運動会のリレーのアンカー走者としても無双。その姿もあって当時のコーチと小5から左打ちにさせた。正解だった。

 「一塁出塁から3球あれば三塁にいた。二盗は100%セーフの1番ショートでした」

 守備範囲も規格外だった。二ゴロ、左前打、中前打になりそうな当たりをいずれも遊ゴロで処理した。愛知県学童リーグの大会で優勝経験もあったが16強止まりが多かった。ただ「あそこに打ったらおしまい」と敵チームは攻撃時に“イヒネゾーン”を区画化した。中学の硬式クラブ関係者が勧誘を兼ねて他チーム選手の視察に訪れては、その動きに首ったけになっていた。

 投手もイヒネに任せたがセンスで打者も封じた。「柔らかい手首でくせ球、ナチュラルムービングを操った。送球と違う直前でクッと曲がる気持ち悪い球を投げていた」と回想する。

 小学校高学年時、10年後の自分に宛てた文集にイヒネは「プロ野球選手になっているかなー」と書いていたという。18歳で夢をかなえた。監督の長男は大学進学し、野球を続ける。親子でイヒネをまだまだ追いかける。(特別取材班)

≪「世界一のショート」目指して憧れ・柳田に自主トレ弟子入り志願≫ ドラフト1位指名されたイヒネが21日、愛知県小牧市の同校で永井智浩編成育成本部長らから指名あいさつを受けた。ドラフトから一夜明け、祝福メッセージは数百件。「本当に1位が確定した実感がある。世界一のショートになってほしいと言われた。頑張っていきたい」と気を引き締めた。

 プロ入りまでのテーマは「体づくり」。この日、球団からは好物のタイ焼きが差し入れられ「本当に好きなのでめちゃくちゃうれしいです。もっと体を大きくしたい。幸せになりながら体重も増やせて一石二鳥です」と2匹をぺろり。入学時66キロだった体重は83キロにまで増量。1日でお米1・2キロなど厳しい“食トレ”も乗り越え、「打球が飛ぶようになった。昔はワンバウンドでフェンスまでだったけど、今は柵越えが打てる」と胸を張る。

 目指すは憧れの柳田ボディー。「おこがましいかもしれないけど、憧れている選手なので頼みたい。強く柔らかい体をつくりたい」と早くも自主トレの弟子入りを志願した。視力は2・0。調子が良い時にはボールの回転まで見えるという。永井育成本部長からは「どの部分においてもトップレベルを狙える。今までにないショートになれるんじゃないかな」と賛辞が並んだ。

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