巨人・井上 4度目先発でつかみ取ったプロ1勝!チーム8人目初勝利はプロ野球史上初

[ 2022年9月24日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人9―3中日 ( 2022年9月23日    バンテリンD )

<中・巨>6回3失点の力投でプロ初勝利を挙げた井上(撮影・沢田 明徳)
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 失敗は成功のもと。巨人・井上は両親からそう教わった。4度目の先発で自己最長の6回を投げ3失点。プロ初勝利に「うまくいかないことがいっぱいあったけど、みなさんが優しい声を掛けてくれたので、ここまで来ることができました」と感慨を込めた。

 白星を挙げられなかった過去3度の先発では多くの失敗を犯し、その全てを糧とした。

 8月24日の中日戦。試合前の時間配分が分からなかった。ベンチ前でキャッチボールを行うことなくマウンドに上がり、初回に3連打を浴びた。

 8月31日のヤクルト戦。しっかりキャッチボールして初回は3者凡退に抑えた。だが2回に本塁打を打たれた。4回にも打たれた。勝負球が甘くなった。

 9月8日のDeNA戦。自己最速の150キロが出た。だが4回に3安打も打たれてしまった。ランナーから戻った際、水分補給ができなかった。回を重ねるごとにインステップになり、球威が落ちていた。

 準備の大切さ、時間の使い方などを学んだ。4度目の先発へ向け、シャドーピッチングでインステップを矯正。自己最多の95球、7奪三振で白星をつかんだ。チームの同一シーズン8人の初勝利(外国人を除く)はプロ野球史上初。3位死守に貢献した。

 普段は朗らかな表情でおっとりとした雰囲気もマウンドではスイッチが入る。父・典之さん(48)いわく「ごく普通の次男の駄々っ子」。だが、「別人なんですよね。スイッチが入れ替わる」と父も驚くほど変身する姿をこの日も見せた。

 「負けない投手になりたい」と井上。小4時の作文に「プロ野球選手になってお父さんとお母さんに恩返ししたい」と書いた左腕は、失敗を成功につなげた。(小野寺 大)

 ◇井上温大(いのうえ・はると)2001年(平13)5月13日生まれ、群馬県前橋市出身の21歳。1メートル75、78キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 大胡中では軟式野球部に所属。前橋商では甲子園出場なし。19年ドラフト4位で巨人入り。今年7月16日広島戦で1軍初登板。

 ☆手術 昨年5月に左肘頭骨(ちゅうとうこつ)を骨折して手術。オフに育成選手として再契約。今年5月の3軍戦で実戦復帰し、7月に支配下に復帰した。

 ☆名前の由来 歌手の安室奈美恵の長男から。父・典之さんが気に入り、男の子が生まれてきたら命名しようと決めていた。

 ☆帽子 汗かきのため、登板日は帽子は3つ用意し「帽子まで替えているのは僕ぐらい」。

 ▼井上の父・典之さん(自宅でテレビ観戦)やっとですね。野手の皆さん、チャンスを与えてくれた首脳陣の皆さんに感謝です。地元の応援してくれている方々にようやく報告ができます。ローテーションを任されるような投手になって欲しい。

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