村田兆治容疑者、逮捕 空港で暴行も容疑否認 携帯電話を手に金属探知ゲートへ→何度も引っかかり…

[ 2022年9月24日 05:30 ]

村田兆治容疑者
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 羽田空港の保安検査場の検査員に暴行を加えたとして警視庁東京空港署は23日、暴行の疑いで元ロッテ投手の村田兆治容疑者(72)を現行犯逮捕した。逮捕容疑は23日午後、第1ターミナル北ウイングの検査場で、30代の女性検査員の左肩を右手で押すなどした疑い。通算215勝で05年には野球殿堂入りし、引退後も野球教室を開催するなど球界の発展に尽力していた同容疑者は、容疑を否認している。

 午後3時すぎ。暴行容疑による村田容疑者逮捕の一報が伝わると、身柄が拘束されている警視庁東京空港署には20人近い報道陣が集結した。プロ野球を盛り上げてきたレジェンドの、まさかの逮捕情報。秋雨の中、物々しい雰囲気が漂った。

 村田容疑者の逮捕容疑はこの日午後2時前、羽田空港第1ターミナルの北ウイングにある日本航空特別会員向けの保安検査場で、30代の女性検査員に暴行を加えた疑い。携帯電話を手にしており、金属探知機に何度か引っかかったことに腹を立てたとみられ、右手で左肩を押したという。

 その場で保安検査場の職員が「男性が暴れている」と110番通報。駆けつけた署員に現行犯逮捕された。本人は「左肩を押してない」と容疑を否認し「前に立ちはだかられたので、どかしただけ」、「殴ったり蹴ったりはしていない」などと供述しているが、捜査関係者によると、防犯カメラには左肩を押している様子が写っていたという。女性検査員にケガはなかった。

 村田容疑者は67年ドラフト1位で東京(現ロッテ)オリオンズに入団。左足を高く上げ、右腕を振り下ろすように投げるダイナミックな「マサカリ投法」で人気を集めたが、故障にも苦しみ83年に現在では一般的となっている右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。85年に復活すると開幕11連勝。日曜日に投げていたことで「サンデー兆治」の愛称で呼ばれた。

 現役引退後は野球解説者を務め05年に野球殿堂入り。60歳を超えても130キロ台の直球を投じ、離島を巡っての野球教室などもライフワークにしていた。あす25日は北海道芦別市でプロ野球OBによる試合があり、村田容疑者はOBチームの監督を務める予定。試合の実行委関係者は「ニュースで見た以外の詳しい状況は把握していない。(当初は)24日にこちらに来る予定だったが、来るのかどうかも含め分からない」と戸惑いを隠せなかった。

 球界では16年2月に清原和博氏が覚醒剤取締法違反で逮捕され世間に衝撃を与えたが、今回の逮捕も驚きとともに列島を駆け巡った。フォークを武器に通算215勝を挙げた村田容疑者の現役時代の148暴投はプロ野球記録。今回は逮捕につながる、あってはならない“暴投”だった。

 ◇村田 兆治(むらた・ちょうじ)1949年(昭24)11月27日生まれ、広島県出身の72歳。福山電波工(現近大福山)から67年ドラフト1位で東京(現ロッテ)入団。75、76年に2年連続最優秀防御率、81年に最多勝を獲得。83年に右肘じん帯再建手術を受ける。85年に17勝を挙げ、カムバック賞を受賞。90年に現役引退。通算成績は604試合で215勝177敗33セーブ、防御率3.24。95~97年はダイエー(現ソフトバンク)投手コーチを務めた。05年に野球殿堂入り。右投げ右打ち。

 【元プロ野球選手の主な不祥事】

 ☆覚醒剤 93年3月に江夏豊氏が覚せい剤取締法違反(所持・使用)で現行犯逮捕。懲役2年4月の実刑判決を受け、95年4月まで服役した。同じく清原和博氏は16年2月2日、家宅捜索を経て覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕された。

 ☆賭博 92年4月、自宅地下室でポーカー賭博に参加したとして元巨人・柴田勲氏を現行犯逮捕。釈放後の会見では「2年前から計7、8回やった。巨人軍という名門に入りながら、申し訳ない」と謝罪。

 ☆暴行 08年8月20日午前5時過ぎ、大阪市のバーで男性店長を暴行したとして、伊良部秀輝氏を暴行の現行犯で逮捕。カードの支払いを巡り店側とトラブルになり、洋酒のボトルを投げつけるなど大暴れした。

 ☆失踪 01年11月、愛甲猛氏が自宅に戻らず行方不明に。音信不通となり、夫人が地元警察署に家出人捜索願を提出した。失踪から3カ月後の翌02年2月、本人から連絡があり無事が確認された。

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