広島“投壊”7失点でCS風前…3位巨人と1・5差 4年連続のシーズン負け越し決定

[ 2022年9月24日 04:45 ]

セ・リーグ   広島3―7阪神 ( 2022年9月23日    マツダ )

<広・神>初回1死二塁、原口に2点本塁打を浴びる大瀬良(撮影・平嶋 理子)
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 広島は23日の阪神戦(マツダ)に3―7で敗れ、4年連続のシーズン負け越しが決まった。先発の大瀬良大地投手(31)が初回にいきなり4失点し、まさかの今季最短2回KO。救援陣も失点を重ねる“投壊”で、松山の2号2ランなどによる反撃は実らなかった。阪神とは再び4位で並び、勝った3位・巨人とは残り3試合で1・5ゲーム差。クライマックスシリーズ(CS)進出は風前のともし火だ。

 秋風が身に染みるマツダスタジアム。敗戦が決まっても、大瀬良は一塁ベンチ最前列に一人たたずみ、無人のグラウンドをぼうぜんと見つめていた。逆転CS進出に向け、絶対に負けられない一戦での背信。責任を感じるからこそ、表情や絞り出す声に生気はなかった。

 「見ての通りです。勝ちたい気持ちはあったので、結果につながらず申し訳ない。ずっと迷惑をかけているので、申し訳ない気持ちしかないです…」

 立ち上がりがすべてだった。先頭・中野に左前打を許した1死一塁から、近本、大山に甘いカットボールを連続で適時二塁打され2点を失うと、原口には1ボールからの外寄りカーブを左翼へ2ランを被弾。わずか19球での一挙4失点はチームに重くのしかかった。

 2回の攻撃で早々と代打が送られ、必勝を誓った試合でまさかの今季最短KO。選手会長を務める主戦右腕には屈辱以外の何ものでもない。自身には黒星先行の9敗目が付き、チームの本拠地通算500勝は持ち越し。以降の継投も、流れを失う要因となった。

 とりわけ痛かったのが6回だ。4回に松山の2ランが飛び出し、2点差に追い上げた状況。首脳陣が指名した3番手・中崎が誤算だった。先頭・原口に中越え二塁打を許すと、佐藤輝には超特大の2ランを被弾。梅野にも左前に運ばれ、1死も奪えず降板となった。

 「よーいドンで4失点。(3者連続の)長打にしても、こっちは全然(打たれるとは)考えていなかった」

 佐々岡監督は、想定外の大瀬良2回降板にぶぜん。13日の昇格後、1試合しか投げていない中崎を、追い上げムードの中で投入したことについては「期待して出した。結果的に打たれたのは指名した僕の責任」と語った。

 終盤の佳境で痛すぎる“投壊”。痛恨の1敗を喫し、4年連続のシーズン負け越しが決まった。勝った3位・巨人とは1・5ゲーム差。CS進出は風前のともし火で、残り3試合に全勝しても巨人の成績次第では届かない。

 「最後まで諦めず3試合、勝つしかない」

 奇跡を信じ、指揮官は言葉に力を込めた。(江尾 卓也)

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2022年9月24日のニュース