日本ハム・田中 7月7日に77球プロ初白星 育成経て3年ぶり1軍登板「この景色が見たくて頑張った」

[ 2022年7月8日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム7―1ロッテ ( 2022年7月7日    ZOZOマリン )

<ロ・日>プロ初勝利を挙げた日本ハム・田中(撮影・西川祐介)
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 ZOZOマリンの夜空に笑い声が響いた。日本ハムの勝利の儀式。ベンチ前の輪の中心にプロ初勝利の田中がいた。「皆さん、ありがとうございました!」と頭を下げたヒーローを全員が祝福した。

 7月7日に刻んだプロ初勝利。3年ぶりの1軍マウンドは6回77球を投げて4安打1失点。田中は「7月7日に77球。覚えやすい」と縁起のいい数字の並びに目を輝かせた。

 5年間の鬱憤を晴らす快投だった。2―1の3回2死一、二塁では井上を中飛。4回1死一塁では佐藤都を遊ゴロ併殺。いずれも今年磨いてきたシュートで仕留めた。「戦力外になったり、野球をできなかった時期もあった。気持ちでは誰にも負けない」と強気で攻め抜いた。

 清宮と同じ17年のドラフト3位で入団したが、20年7月に右肘を手術。昨オフに戦力外通告を経て育成で再契約を結び、今月1日に支配下選手登録された。19年以来2度目の1軍マウンドで、先発は初めて。「この景色が見たくて頑張った」。19年にはイースタン・リーグ記録の11連敗を喫し、2軍戦でも通算55試合目で今季ようやく初勝利を挙げた男が、7・7にプロ初白星。新庄監督も「縁起のいい日に勝てたということは田中くん、持ってるんじゃないですか」とご機嫌だ。

 11安打7得点の援護を受け、先制弾の清宮とはベンチで抱き合った。ウイニングボールは大分から観戦に来た父・精一さんに渡すと決めていた。その記念球を手渡してくれたのは清宮。「幸太郎が“おめでとう”って」。田中はそう言って、またうれしそうに笑った。(君島 圭介)

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2022年7月8日のニュース