西日本短大付、9回逆転ヒヤヒヤ発進 OB新庄ビッグボスの「楽しむ」を胸に今田主将けん引

[ 2022年7月8日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権福岡大会・2回戦   西日本短大付4―3純真 ( 2022年7月7日    久留米 )

<西日本短大付・純真>笑顔で勝利の輪に加わる今田(左)
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 連覇へ冷や汗のスタートだ。日本ハムの新庄監督の母校、西日本短大付が純真に4―3で逆転勝ちした。1点を追う9回に適時打で同点とし、主将の今田塁陽(るいや)外野手(3年)が決勝の中犠飛を放った。1つでも先の塁を狙う「奪進塁」を掲げる福岡第一は末永弥雅斗(やまと)外野手(3年)の2ランを含む10安打と3犠打など、そつのない攻撃で祐誠に7―1で快勝した。

 ドラマは1点を追う9回だった。西日本短大付は適時打で同点に追いつき、さらに連打で1死満塁と攻め立て今田主将が決勝の中犠飛を放った。「みんながヒットでつないでくれたので、あとは打つだけだった。楽な気持ちで立てました」とほっと息をついた。

 相手エースを打ちあぐねて接戦になった。8回の守備では2死満塁から中前適時打で勝ち越しを許したが、中堅・今田、遊撃・江口翔人(2年)の中継プレーで追加点を阻止した。今田は「いい形でアウトにできたので、流れは西短側にあると思った」と読み通りに逆転勝ちにつなげた。

 試合前には昨年の優勝旗を返還した。今田主将は「もう一度持ち帰りたい。みんなで取りにいきたい」と思いが芽生えた。前日の6日には全部員が頭髪を五厘刈りにした。春の県大会前にも実施し、県大会で優勝、九州大会で準優勝。験を担いだ。「初戦から全力でいこう」という思いを込めた。

 日本ハム・新庄監督の母校として注目を集める。今田主将はビッグボスの「楽しむ」に共感する。練習中から大きな声を出しながらチームを引っ張っている。昨年の甲子園出場時には激励Tシャツが届いた。高校時代の同級生だった西村慎太郎監督は「少しでもいい結果を伝えたいですね」と力を込める。

 昨夏の甲子園は初戦で二松学舎大付(東東京)に0―2で敗れた。雨の中でのゲームだった。今田は「晴れた甲子園で73人全員で戦うのがこのチームの夢。そこは絶対かなえたい」と熱く語った。 (杉浦 友樹)

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2022年7月8日のニュース