阪神・原口文仁 初の著書「ここに立つために」29日発売「この本が前を向くきっかけになれば」

[ 2021年11月29日 06:00 ]

29日より発売される自身の著書「ここに立つために」を手にする原口。来月11日は「ちゃやまちキャンサーフォーラムオンライン2021」に登壇する(球団提供)
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 阪神・原口文仁捕手(29)の初の著書「ここに立つために」(ベースボール・マガジン社)が29日から全国の書店で発売される。プロ野球選手が現役のうちに著書を出版するのは珍しく、大腸がんと闘い、克服した野球人生を全208ページにつづっている。

 「世の中にはたくさんの本があって、その中の1冊にすぎないですけど、この本がきっかけになったとか、励みになったとか、ほんの少しでも前を向くきっかけになったり、感じていただけるものがあったら、意味があると思う」

 10年のドラフト6位で帝京から阪神に入団も、腰痛などで13年に育成契約へ。打力が評価され、16年に支配下選手登録へ復帰して18年は球団タイ記録となる代打での年間23安打をマークした。しかし19年1月に大腸がんを患っていることを公表し、手術。戦列復帰した同年6月9日の日本ハム戦で代打サヨナラ安打を放ち、その後は主に代打の切り札として活躍を続けてきた。

 「野球を知らなくて、病気のことをきっかけに僕のことを知ってくれた人にも手に取ってくれたらありがたいです。こうやって形に残すことができて僕自身も何歳になっても原点に戻れる一冊になっています」

 原口はこの秋、また新たな挑戦をしている。秋季練習で本格的に取り組んだのが外野守備。ミットをグラブに持ち替えて打球を追った。出場機会を増やすためでもあるが、もっと先にあるのが定位置奪取。副題にある、あきらめなかった男に訪れた奇跡のような物語――。22年シーズンから新章が始まることを予告していた。(畑野 理之) 

 《がん啓発イベントにも出演》原口は12月11日にMBSが主催する、がん啓発イベント「ちゃやまちキャンサーフォーラムオンライン2021」に出演する。午後1時20分からの「もっと知りたいAYA~多様化する今、若年性がんサバイバーの声を届けよう~」に元SKE48の矢方美紀さんとともに特別ゲストで登壇予定。「どの世代でも早期発見と治療の大切さを痛感しています」と自身の経験を語る。会は午前10時30分から午後3時までで、MBS公式YouTubeチャンネルで無料ライブ配信される。

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2021年11月29日のニュース