広島・森下 8回1失点でワクチン副反応の不安払しょく “新球”ツーシーム使い、中盤から見事に修正

[ 2021年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-1中日 ( 2021年6月27日    マツダ )

<広・中(11)>中7日で先発した広島・森下は8回1失点の好投(撮影・成瀬 徹)
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 広島・森下暢仁投手(23)は27日の中日戦で8回1失点と好投し、今季9度目の引き分けに持ち込んだ。新型コロナウイルスのワクチン接種による副反応を考慮し、中7日と登板間隔を変更しての先発登板だった。打線が13残塁での1得点に終わった中で、不安を払しょくする116球の熱投を披露した。

 立ち上がりが不安定だとしても、必ず修正できるのが今年の森下の特長である。「最近ずっと立ち上がりが悪い。次は修正できるようにしたい」。今季の21失点のうち10失点が1、2回に集中するように、この日も序盤は直球が真ん中付近に集まるなど苦労した。

 初回先頭の大島に初球の真ん中直球を左翼線に運ばれる二塁打を許すと、加藤翔の犠打で1死三塁。続く高橋周の右前打で先制点を与えた。3回までに5安打を数えるなど我慢の投球が続いた中で、4回はこの日唯一の3者凡退。6回には最速となる152キロを計測するなど、直球の切れが増すと同時にリズムをつかみ、2回以降は無失点で切り抜けた。

 「点を取られたので、これ以上取られないようにと思った。それだけです」

 投球の幅が広がったことが修正力につながっている。これまでは1試合に数球程度だった新球ツーシームを3回以降から投げ始めて計8球投じた。捕手の石原は「(ツーシームは)いままであまり投げていないので、直球一本で相手が狙っているなら使ってみようと思った。直球と思ったのが少しズレて内野ゴロになってくれればと思っていた」と説明。5回に大島をツーシームで二ゴロ併殺に仕留めるなど、新球を試合中の修正に生かした。

 21日に新型コロナウイルスのワクチンを接種。副反応が起きたことで22日の練習参加を取りやめたことを考慮し、当初予定から1日ズラした中7日の先発だった。球数が100球を数えて迎えた7回の打席で代打を送られずに8回も続投し、体調面の不安も払しょくした。「(副反応の影響は)全く問題ないですね。でもやっぱり疲れました…」。試合後は少しだけ強がった。

 佐々岡監督は「少し立ち上がりがうまく入れない中で1点に収めたのはさすが」と修正力にうなずいた。「最近は毎回立ち上がりが悪い。しっかり修正したい」。両軍1得点のみ。尻上がりの投球を見せても、初回の後悔は消えていなかった。(河合 洋介)

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