侍ジャパン稲葉監督 7.28初戦攻略の鍵はマー君の頭脳 VSドミニカ共和国濃厚

[ 2021年6月28日 05:30 ]

視察に訪れ、田中将(右)と話す侍ジャパン・稲葉監督(撮影・尾崎 有希)
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 東京五輪に臨む侍ジャパンが、7月28日の1次リーグ開幕戦(福島)でドミニカ共和国と対戦することが27日、濃厚となった。同国は五輪最終予選決勝でベネズエラを下し、最後の出場切符を手にした。楽天生命パークを視察に訪れた稲葉篤紀監督(48)は、実績ある元大リーガーがそろう強力打線を警戒。金メダルへ白星発進するためのキーマンに楽天・田中将大投手(32)を指名した。

 敵が見えた。前夜午前3時から始まった最終予選のネット中継を観戦した稲葉監督は眠気などみじんも感じさせず、ドミニカ共和国対策へ頭を巡らせた。

 「ドミニカ強いね。やっぱり打つ。中南米の選手は乗ってくる。まあ強いな、という印象ですね」。1次リーグは世界ランキングで分けられ、1、4、5番目のチームがA組に、2、3、6番目がB組に入る。日本は現在1位で、今後もポイントは動くが順位に大きな変動はないとみられ、7月28日にドミニカ共和国、同31日にメキシコとの対戦が濃厚となった。ドミニカ共和国とはコーチだった15年のプレミア12で勝って以来の対戦となる。

 印象的だったのが得点力の高さだ。「この数試合見ても点は取られるが、それ以上に点を取る。打線が活発」。この日も0―3の3回2死からメジャー通算166盗塁のボニファシオが四球を選び、通算1962安打のメルキー・カブレラが反撃の2ラン。これで勢いづき、続く4回に6得点し試合を決めた。

 ヤンキースで松井秀喜の同僚としても長く活躍したカブレラ、巨人にも在籍した48本塁打のフランシスコら大リーグ経験者が13人そろう。だからこそカブレラらとの対戦があるメジャー通算78勝右腕の経験が武器となる。

 「田中投手には、とにかくチームを引っ張ってほしいと伝えた。うまくコミュニケーション取ってと。若い選手はどんどん聞きに行って、学んでほしい」

 復興五輪として東北の福島あづま球場で行われる初戦。田中将は開幕投手の有力候補の一人でもあるが、マウンドにいない時でも、その経験と知識が難敵攻略には欠かせない。「ブンブン振り回し、踏み込んで打ってくるのでインコースが大事。選手が迷いないよう、弱点を見つけます」と分析を進める。

 「初戦の入りは凄く大事。乗っていけるかいけないか、チームが変わってくる」。世界のTANAKAを中心に結束し、金メダルへの一歩目を踏み出す。(後藤 茂樹)

 《ドミニカ共和国と15年プレミア12予選で対戦》プロが参加するようになった日本代表の主な国際大会でのドミニカ共和国との対戦は15年プレミア12の予選ラウンドがある。2―0の7回に同点とされたが、直後の8回に中田(日)が決勝の左翼線2点二塁打を放ち、4―2で勝利した。なお、プロアマ混成で参加した02年インターコンチ杯でも1次リーグで対戦し7―6で勝利。プロでは二岡(巨)や井端(中)、アマでは内海(東京ガス、現西武)がメンバー入りしていた。

 《1次L3チーム総当たり》東京五輪では6チームを2組に分けて1次リーグを行った後に変則的な決勝トーナメントを行う。1次リーグは3チーム総当たりで、順位に基づきノックアウトステージを戦う。日本は世界ランキングにより、7月28日にドミニカ共和国(正午開始)、31日にメキシコ(同)と対戦することが濃厚。その結果次第で、3戦目以降の日程と相手が決まる。決勝は8月7日。

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