阪神・佐藤輝 16打席ぶりお目覚め打 矢野監督「何もないよりは1本出て、気分も違いますしね」

[ 2021年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-8DeNA ( 2021年6月27日    甲子園 )

<神・D(12)>8回1死、佐藤輝は右翼線二塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 敗戦の中、光明も差した。前日まで3試合連続で無安打だった阪神ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が、8回1死無走者の第4打席で右翼線二塁打を放ち、自己ワーストを抜け出す16打席ぶりの安打を記録。この一打をきっかけに、29日からのヤクルト戦で反攻態勢に転じる。

 佐藤輝が長かったトンネルから、ようやく抜け出した。3打席凡退で迎えた8回1死無走者の第4打席だ。23日中日戦の6回に19号ソロを放って以来、16打席ぶりとなる「H」ランプをともした。

 「何もないよりは1本出て、また気分も違いますしね。切り替える1本になってくれたらいいなと思います」

 矢野監督はこの一打を、浮上のきっかけとすることを望んだ。DeNA3番手・三上に1―2と追い込まれながら内角低めの147キロに反応。痛烈な打球はあっという間に一、二塁間を破った。右翼線を転がる間に二塁へ到達。その後三塁に進み、糸井の犠飛で3点目の生還を果たした。

 先発出場では初の3試合連続無安打、自己ワーストタイ12打席連続無安打で迎えた一戦だった。初回2死一、三塁では1―2から大貫のスプリットに空振り三振。早く1本が欲しいという焦りもあったか、4回先頭でもタイミングを外され投ゴロに打ち取られた。5回2死二塁で再び回ってきた好機では、浮いてきたスプリットを仕留め損ね、高々と舞い上がる遊飛。歯がゆい打席が続いていただけに、最終打席で飛びだした1本はチームにとっても、自らにとっても、光明を見いだす一打となった。

 「もちろん(不調でも)1本、2本は出ると思うんだけど、その(調子の)波をどう小さくしていくか。これからの課題にはなってくると思う。1本出たのは、プラスに(とらえて)いってくれたらいい」

 指揮官は、まだシーズンの半分も経験していない大型ルーキーに温かい言葉と、まなざしをそそいだ。今季初の同一カード3連敗を喫しても、まだ貯金は17ある。若き大砲候補の一打は、チームの活力源。再び自らの豪快な打撃で勝利をたぐり寄せるべく、あす29日のヤクルト戦から仕切りなおしを図る。(阪井 日向)

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