金本知憲氏 愛弟子の阪神・大山に「4番楽しもう」のエール カギは「鈍感力」と「自信」

[ 2021年6月28日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神3-8DeNA ( 2021年6月27日    甲子園 )

金本知憲氏
Photo By スポニチ

 阪神は27日のDeNA戦に3―8で敗れて今季初の同一カード3連敗を喫し、2位・巨人に2・5ゲーム差にまで迫られた。得点機4打席凡退を含む5打数無安打に終わった4番・大山悠輔内野手(26)に向け、本紙評論家・金本知憲氏(53)は自らの経験を踏まえ、「鈍感力」「自信」「楽しむ」をキーワードとしたエールを送った。

 打線は確かに少し下降線かもしれない。ただ、1年間ずっと打ち続けることはできない。波は必ずある。何も悲観することはない。大山個人にも同じことが言える。打席の動きには全体的に硬さが見え、リズムも合っていないように映る。そんな時期は誰にもある。

 タイガースの4番打者として期待と注目が高く、少し打てないと、嫌でも“雑音”が耳に入ってくる。「だから、どうしたの」と思えばいい。現役時代はそうだった。いい意味で鈍感で通した。もちろん、悔しさは持たないといけない。その上で気にしないことだ。そんな“鈍感力”を持てばいいと思う。

 決勝打の数はマルテと並んでチーム最多の7本。約3週間の離脱がありながら、それだけチームを勝たせてきた。自信にすればいいし、必要以上に自分の力を疑う必要はない。

 4番を打っていた頃は「金本が打てなくて負けた」と言われると逆にうれしかった。気合が入った。「いまに見てろよ」と思い、力にもなった。周りが打っている時はいい。周りが打てず、苦しい時にチームを勝たせるのが4番だという気概を持っていた。

 試合としては、秋山に普段の制球力がなかったことが誤算だ。立ち上がりに外角のストライクゾーンが広く感じたので、秋山なら生かしてほしかった。オースティンに打たれたフォーク、ソトに打たれた外角直球も甘く入った。配球ミスではなく、コントロールミス。秋山だけに、もったいない被弾だった。

 大山と佐藤輝の2人に対しては、ファンが寄せる期待も大きい。実際、打てば、チームも活気づく。そういう存在になりつつあることを、意気に感じてほしい。

 特に大山はプロに入ってきた時から、不思議と好機がよく回ってきた。4番に座る現在はなおさらだ。持って生まれた運かもしれない。そんな巡り合わせを“よし、来た”と、いい意味で楽しんだらいい。

 2位・巨人とは2・5ゲーム差。それも、“雑音”だ。いままでが順調過ぎた。こういう時期はある。まだ半分も消化していない。ゲーム差を気にするには早い。ファンやメディアは一喜一憂するが、現場は何も気にすることはないと思う。 (本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月28日のニュース