野村謙二郎氏 気になる広島の走塁意識の希薄さ 偽走で相手のミスを誘発することも重要

[ 2021年6月28日 06:30 ]

セ・リーグ   広島1-1中日 ( 2021年6月27日    マツダ )

<広・中(11)>8回1失点の好投を見せた森下(右端)だったが・・・ (撮影・成瀬 徹)
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 【野村謙二郎 視点】今季はヒットを打つ割に点が取れない。この日も11安打で1点。好機で1本が出なかったのは事実だが、打つことにフォーカスしすぎて、走塁への意識が欠けてはいないだろうか。例えば偽走だ。一塁走者が試みることで捕逸や暴投を誘発するし、ヒットエンドランなどのタイミングで動いてみせることも攻撃には大事だと思う。

 同点の8回無死一塁で、坂倉に送りバントをさせた場面にも触れておきたい。セオリー通りの作戦で1点…と考えたのだろうが、当たっている打者に任せる手はあったと思う。何しろ、1本が出ていない状況だ。後ろの打者には大きな重圧がかかる。膠着(こうちゃく)状態打破へ、思い切って超攻撃的に出てみては…と感じた。

 森下は先行きが案じられる立ち上がりだった。それが、途中からカットボール主体にカウントを整えられるようになり、グリップの柔らかな感覚を思い出したのか、直球が走り出した上にカーブでもストライクゾーンで勝負できた。見事な修正力。勝ちを付けてあげたい投球だった。

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