阪神ドラ1佐藤輝明が変えるセ・リーグの野球 その先にパとの差を埋める道が見える

[ 2021年4月27日 08:00 ]

27日からの中日戦でドラフト制以降新人の4月までの最多本塁打記録を狙う阪神・佐藤輝
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 セ・リーグの未来を変える男かも知れない。阪神のドラフト1位・佐藤輝明。その豪快なスイングと破壊力満点の打球がファンを魅了している。やはりパワーヒッターには胸が躍る。そしてパワーヒッターがセ・リーグの野球を変えるのだ。

 近年叫ばれるセ・リーグとパ・リーグの実力差。巨人は日本シリーズでソフトバンクに2年連続で4連敗を喫した。その際に良く聞かれたワードが「パワーピッチャー」。ソフトバンクは千賀を筆頭に先発、中継ぎと150キロ超の直球を投げる投手がゴロゴロいる。そのパワーにセ・リーグは屈している、というのが一つの見方だ。

 パワーピッチャーが生まれる素地はどこにあるのか。それはソフトバンク・柳田や西武・山川、楽天・浅村、オリックス・吉田正らパ・リーグに「パワーヒッター」がずらりと顔を揃えているのも一因。彼らを抑え込むためには力のある直球が必要不可欠。力VS力の勝負はパ・リーグ野球の魅力の一つでもあるが、この切磋琢磨(せっさたくま)がリーグ全体の力量の底上げになっている。

 パワーのある打者を抑えようと投手はパワーのあるボールを投げ、それに対抗して打者はさらにスイングを磨く。さらに投手は…の流れ。この連鎖がセ・リーグにも生まれるかもしれない。その源泉となる可能性があるのが佐藤輝であり、今季さらに凄みを増しているヤクルト・村上らセを代表するパワーヒッターの存在だ。

 現在は故障で離脱しているが、仮に交流戦で千賀VS佐藤輝の「超パワー対決」が実現すれば、こんな楽しみなことはない。オリックス・山本との対決も面白いだろう。そんな力勝負がセ・リーグでも数多く見られるようになれば、リーグ全体が活性化し、底上げにつながる。その先にパ・リーグとの差を埋める道が見えてくる。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2021年4月27日のニュース