【スポニチ潜入 大阪発(7)】三菱自動車倉敷オーシャンズ・広畑 最速154キロ誇る自称「カーブ投手」

[ 2021年4月27日 09:00 ]

三菱自動車倉敷オーシャンズ・広畑敦也投手
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 スポーツニッポン新聞社では、今年も企画「スポニチ潜入」でアマチュア野球の有力選手(高校、大学、社会人)を記事と動画で紹介します。大阪本社では「スポニチ潜入 大阪発」と題し、エリア内の有力選手を紙面、公式サイト「スポニチアネックス」、YouTube公式「スポニチチャンネル」において取り上げます。第7回は三菱自動車倉敷オーシャンズ・広畑敦也投手(23)です。

 昨年、入社1年目から主戦として臨んだ都市対抗で脚光を浴び、今秋ドラフト上位候補に名前が挙がる広畑。まだ試運転段階の2月21日、阪神2軍との練習試合(安芸)では3回2安打2失点も、早々と最速150キロをたたきだした。畑山俊二統括スカウト、和田豊TA、山本宣史スカウトと3人態勢で視察した阪神からも「スピンの効いた良い直球を投げて全体的な完成度も高い。上位候補」と高評価を受ける逸材だ。

 その広畑、さながら「投げる哲学者」の風情を漂わせる。先日には趣味が高じて「コーヒースペシャリスト」の資格まで取得。「日常は野球につながりますし、野球は日常につながると思っているので」。当然、「こだわり」は野球にも熱く注がれる。

 「ボールを投げずにボールを投げる練習をしています」。開口一番で発した言葉に、こちらが少し戸惑った。右腕はブルペンでの投げ込みを最善の「投球練習」とは考えていない。その一例として、シャドーピッチングでにも多くの時間と労力をさく。表現としては矛盾があるかもしれないが、確かに「投げない投球練習」だ。

 そして「一番大事にしている」と言うのはキャッチボールだ。その途中の動きに目を見張った。相手との距離が40メートル前後の距離になった時だった。突如、体の力を抜き、腕をぶん回して山なりのボールを投げる動作を繰り返した。「自分の意識でどの点にも力を入れることなく相手にコントロールできれば結局リリースポイントで力を入れているのと一緒と思う。あとは力を入れたら、ある程度いいところに行くということ」。練習の随所に「こだわり」がのぞく。

 球種では最速154キロの直球…ではなく、カーブに「こだわり」がある。帝京大時代、当時コーチだった元日産自動車・木寺徹氏から「今、10割で投げている真っすぐが8割で投げられるようになるんじゃないか?」と提案を受け、右膝の重心を下げて下半身主導で投げる現在のフォームの土台を築いた。その過程で「一番、下半身を使って投げないと投げられないボール。逆に言うとカーブを練習すると下半身を使えるようになる」と磨いたのがカーブだった。本人いわく「カーブに合わせている、カーブを最も制球できるように作り上げたフォーム。力配分で言ってもカーブに120%の力を入れて、真っすぐは80~90%くらいです」。直球と高速スライダーの印象が強いが、最も自信のある球種もカーブと言う。

 高校時代から体重は20キロ増え、最速も16キロアップ。直球の投球回転数も最高2650回転を誇るが、「正直、あの数値はトラックマンで測るまで、知りませんでした。回転数を意識して練習したこともないので」と笑い、そして続けた。

 「意識としては、ど真ん中の真っすぐで詰まらせたいというのがあります。そういう真っすぐを投げたいという練習をしてきたことが、回転数のアップにつながったのかなとは思います」

 「ど真ん中の直球で詰まらせる」投球に加え、「27奪三振よりも27凡打」のスタイルを理想に掲げる右腕。究極を追い求め、広畑は独自の進化を続ける。(文=惟任 貴信、動画撮影=後藤 大輝、惟任 貴信)

 ◆広畑 敦也(ひろはた・あつや)1997年(平9)12月3日、岡山県倉敷市出身。屋島小3年から「屋島源平ウィングス」で野球を始め、京山中では軟式野球部。玉野光南3年夏は県大会準決勝で岡山学芸館に敗戦。甲子園出場経験なし。帝京大では1年春からベンチ入りし、リーグ戦通算31試合5勝9敗。三菱自動車倉敷オーシャンズでは1年目から主戦となり、同年の都市対抗で若獅子賞獲得。1メートル75、82キロ。右投げ右打ち。

 ※三菱自動車倉敷オーシャンズ・広畑選手の動画は「スポニチチャンネル」において配信中です。

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