金本知憲氏 佐藤輝は強く振る今のスイングを貫けばいい 経験を積み、対応力をつけたヤクルト村上が好例

[ 2021年4月27日 05:30 ]

金本知憲氏
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 【金本知憲 虎への金言】開幕から、ちょうど1カ月。佐藤輝は周りから注目されながら、初めてのことを経験してきた。実際にやってみて肌で感じたことも多いと思うが、三振を怖がることはないし、いまのスイングを変えなくていい。強く振って、タイミングが合えば、あれだけ打球が飛ぶのだから。

 25日のDeNA戦では久々の本塁打が出た。打ったのは追い込まれてからのカーブ。振りにいきながら自分で合わせた…というよりも、うまく合ったという印象だ。もちろん、スイングの強さがあるから本塁打になる。逆に合わなければ空振りになり、三振もする。まだ1年目。気にする必要はない。相手バッテリーは怖がっているのだから、いまのスイングを続けてほしい。

 ヤクルト・村上は高卒2年目、“実質1年目”の19年に36本塁打。打率・231で、184三振だった。決して確率の高くなかった打撃が翌年は120試合で28本塁打しただけでなく打率・307。経験を積み、考えながら対応力を身につけたのだろう。「慣れる」には時間が必要だという好例だろう。佐藤輝も、いまの段階では、強く振るという自分のスタイルを貫けばいいと思う。

 まだまだ先は長いが、戦力的に見れば、阪神と巨人の2強で優勝争いが進んでいく可能性が高い。どれだけの戦力を抱えているか、選手層はどうか。この観点からすれば、やはり、この2チームがセ・リーグでは抜けている印象だ。

 阪神は新外国人のロハスとアルカンタラが2軍で実戦調整に入ったところ。打者陣ではマルテ、サンズの2人が機能していて、いいときは動かしたくないもの。枠の問題もある。どのタイミングで、どう使うのか。現場も考えを巡らせているところだと思う。

 シーズンは長く、故障など想定外の事態は必ずある。埋められるかどうかで、差が出る。いまの阪神は現時点で戦力を余らせながら戦えているのが大きい。ただし、同じことは巨人にも言える。両軍の陣容が整ってからの激突に注目したい。

 調子の波は必ずあるのだから、数字が上がっていない近本も含めて、まだまだこれからだ。大山も、まだ絶好調ではない。そんな状態でも走者がいる場面での内野ゴロや犠飛など、できる限りの打撃でチームではサンズの次に多い19打点を残している。4番の役割をしっかり務めている。

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2021年4月27日のニュース