巨人・原監督「とにかく暴れる」 9年ぶり日本一へ、マー君にソフトBに絶対雪辱!

[ 2021年2月1日 05:30 ]

宮崎神宮の鳥居の前でガッツポーズする巨人の原監督(撮影・木村 揚輔)
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 プロ野球は1日、12球団が一斉にキャンプインし、新型コロナウイルス感染防止のため無観客で始まる。巨人の原辰徳監督(62)は1月31日、キャンプ地の宮崎に入り、リーグ3連覇と「打倒パ・リーグ」のシーズンを始動。13年の日本シリーズで対戦した楽天・田中将大投手(32)の8年ぶりの日本球界復帰を歓迎し、対戦を心待ちにした。

 宮崎神宮を背に、原監督は右手を思い切り突き上げた。敬愛したプロレスラーの故ジャンボ鶴田さんの決めポーズのように。「オー!」ではなく「コロナに勝つ!」の声が球春到来の宮崎で響き渡った。

 「ルールの中でとにかく暴れる。野球界を発展させるという部分においてもしっかりやっていきたい」。最大の目標はリーグ3連覇の先にある9年ぶりの日本一奪還。「セ劣勢」の状況を打ち破るシーズンが幕開けする。

 日本シリーズは8年連続でパの球団が制しているが、13年に巨人が楽天に敗れてから始まった。胴上げ投手になったのが田中将。日本での最後の登板だった。指揮官は世界一に輝いた09年WBCで当時20歳の右腕を選出。「マウンドで変わる素晴らしい野球人」という印象だった。「メジャーリーグからバリバリで戻ってくるというのは野球界もうれしい」と歓迎。選手に打倒パへの闘志をかき立てる好材料にもなる。

 田中将にはシリーズ第2戦で敗れたが、第6戦で「マー君をやっつけた」と12安打4得点。投げ勝ったのが、新人の菅野だった。原監督が「コロナ禍で(メジャーが)正しい市場になっていない」と語るように、菅野は大リーグ球団との交渉の末に残留を選択。田中将は日本に帰ってきた。昨季はコロナ禍で中止になった2年ぶりの交流戦で、両腕が8年ぶりに投げ合う可能性もある。

 昨年のシリーズは2年連続でソフトバンクに屈辱の4連敗を喫し、眠れない夜を過ごした。13年も「俺は絶対に負けないと思った」と悔しさが残る。最後の田中将が両腕を高く上げるシーンは今でも脳裏にある。「勝負の世界だから相手を潔く称えることは大切。しかし、また横一線からスタート」と見据えた。

 到着した宮崎空港では新型コロナ感染対策から恒例のセレモニーは中止。それでも約100人のファンに拍手で出迎えられ、ブーゲンビリアの花びらが両側にまかれた「南国の花道」が演出された。

 「いよいよスタートする。勝つというのが一番重要な目的。ミッションに向かっていく。まずやっぱりセントラルリーグ」。無観客でのキャンプインも「超越する」とプロの姿勢を貫く。パの壁を超越する一年が始まる。(神田 佑)

 ▼13年日本シリーズ 原巨人と星野楽天が激突。初戦を制した巨人だが、2戦目は田中に1失点で完投され、新人の菅野は6回途中1失点の好投も黒星を喫した。2勝3敗の第6戦は打線が田中に12安打を浴びせて4点を奪取。7回2失点の菅野も投げ勝ち、レギュラーシーズンから不敗のエースに初めて黒星をつけた。3勝3敗で迎えた第7戦。楽天は3―0の9回に前日160球の田中が救援し、無失点で球団初の日本一に。40年ぶりの日本一連覇を逃した原監督は「全力で戦って楽天に日本一の座を譲った」と語った。

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