テレビ生中継の中、屈辱の指名漏れ…4年後のドラフト上位指名に母は涙「ビッグになってください」

[ 2019年10月26日 17:57 ]

ドラフト会議でロッテから2位指名され、ポーズを決める東洋大の佐藤都志也捕手
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 17日のドラフト会議でロッテから2位指名された東洋大の佐藤都志也捕手(21)が26日放送のTBS「バース・デイ」(土曜後5・00)に母・まり子さん(52)とともに出演。4年前に味わった屈辱の“指名漏れ”から上位指名を勝ち取るまでの母子の激闘が明かされた。

 佐藤は甲子園常連校の聖光学院(福島)で4番打者として活躍。俊足で二塁への送球スピードも1・8秒台を誇る当時17歳の佐藤のもとにはプロ7球団から調査書が届いていた。だが、ドラフト当日、5台以上のテレビカメラが並び、地元局が異例の生中継をして県民が見守る中、最後まで名前は呼ばれず。「恥ずかしさとみじめさと。穴があったら入りたかった」(佐藤)「どん底に落とされた」(母・まり子さん)。パワー不足を痛感した佐藤は最大120キロのバーベルを背負ってスクワットするなど努力を重ねて体重を高校時代から10キロ増の83キロまで増やし、2年春に東都大学リーグ首位打者、秋には最多安打のタイトルを獲得するまでに。大学ジャパンにも2年連続で選ばれた。

 小3から野球を始めメキメキと頭角を現した佐藤を支えたのはスポーツ好きの母だった。仕事が忙しい父・有蔵さん(72)に代わってキャッチボールの相手からノッカー役まで務め、毎日2~3時間は練習に付き合う日々。佐藤の下に妹が2人おり、経営する焼き鳥店が赤字だったこともあって父は昼間ガソリンスタンドでアルバイト、母は昼間はパート、夜は焼き鳥店の手伝いと道具代や遠征費を稼ぐため両親は必死に働いた。その甲斐もあって息子は強豪・聖光学院に進学。その頃、寮生活を送っていた息子から届いた感謝とともに「将来お金は返します。笑」と書かれた手紙は今でも母の宝物だ。

 奇しくもドラフト当日の10月17日は母・まり子さんの52歳の誕生日だった。ロッテから2位で指名されると、福島から東洋大まで駆けつけていた母は「良かった…。安心。ひと安心」とつぶやき、涙。指名後の記者会見で「きょう母が誕生日なので、いい誕生日プレゼントを渡すことができたのかな」と話した息子と、会見後には感激のハグを交わした。「誕生日なんで、良かったです」と話す笑顔の息子に「まだ努力しないといけないよ」と母。「ビッグになってください」という母に佐藤は「ビッグになります」とうなずいていた。 

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