天理大、大商大にサヨナラ勝ち 153キロ右腕・八木、救援零封に殊勲の押し出し 関西大学選手権

[ 2019年10月26日 16:45 ]

関西地区大学選手権第1日▽1回戦   天理大3―2大商大(延長10回) ( 2019年10月26日    南港中央 )

<神宮大会関西地区代表決定戦 天理大・大商大>延長10回2死一、二塁、ピンチをしのいでガッツポーズの天理大・八木(撮影・北條 貴史)
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 明治神宮大会出場権を5連盟優勝校で争う関西地区大学野球選手権大会は26日、大阪市の南港中央野球場で開幕し、天理大(阪神)がプロのドラフト指名3選手を擁する大商大(関西六大学)に延長10回、サヨナラ勝ちした。

  ◇  ◇  ◇
 延長10回裏、天理大無死満塁で打席を迎えたのは9番投手の八木玲於(4年=敦賀)だった。タイブレークの無死一、二塁から送りバントが内野安打となって迎えた絶好機だった。

 「ベンチからは“三振でいい”と言われていました。ふだん、打席はありませんし、打って併殺なんて最悪ですから。ストライクが来てもスイングする気はありませんでした」

 所属する阪神大学リーグは指名打者(DH)制を採用しており、投手は打席に立たない。ベンチも八木の考えも「全球見送り」で一致していた。

 「でも……」と八木は考えた。「少しでも相手投手が嫌がることができないかな、と思って」

 マウンドには今秋のドラフトでヤクルトから4位指名を受けている大商大の右腕・大西広樹(大商大高)がいた。

 「わざと大きく構えてみたり、やる気もないのに早めにバントの構えをしてみたり……。最高の結果が四球ですから」

 すると、狙い通り、大西の投球は乱れた。大きく構えてボール、ボール……バントの構えでボールで3ボール。1つストライクが来たが、再びバントの構えを見せてボール。殊勲の四球で押しだしサヨナラ勝ちの打点がついた。

 「ラッキーでした」と笑顔が浮かんだ。「今日はピッチングもバッティングもついていました」

 本職の投手としては2―2同点の7回表1死一塁から先発の松井石根(4年=大産大付)を救援し、3回2/3を内野安打1本に抑え零封した。9回表は1死三塁からスクイズが投飛となって併殺。10回表もタイブレークの無死一、二塁から投前バントを三封。二ゴロ併殺で切り抜けた。

 今秋のリーグ戦、関西外大戦(ほっともっと)で最速を更新する153キロをマーク。スライダー、フォーク、ツーシームを操る。

 社会人・ホンダ鈴鹿に内定しており、藤原忠理監督(54)は「社会人でのことも考慮して、秋からリリーフでも起用するようにした」と話す。

 この救援起用が八木の心に火をつけたようだ。「僕はもともとメンタル面が弱かったのですが、リリーフで投げるようになって、強化されたように思います。クローザーはそれまで投げてきた投手の思いを引き継いで、試合を締めくくらないといけない。責任感が強まりました」

 精神的な成長を果たして臨む大学最後の大会である。「目標はもちろん神宮。明日も投げられる準備をしておきます」。連投も誓った。

 藤原監督はドラフト指名選手3人を擁する大商大を破り「力の差は歴然とあった。しぶとく食らいついていくという考えを選手たちがよく理解してくれていました」と話す。目標はむろん明治神宮大会出場だが「阪神リーグは昨年も関西国際大がベスト4。リーグの代表として恥ずかしくない試合をしたい」と前を見すえた。(内田 雅也)

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