八尾　大阪初のセンバツ２１世紀枠へ前進　５２年夏準Ｖの古豪

[ 2018年12月15日 05:30 ]

センバツ２１世紀枠候補９校発表（ 2018年12月14日）

　日本高野連は１４日、第９１回選抜高校野球大会（来年３月２３日から１２日間、甲子園）の２１世紀枠候補９校を発表した。近畿は１９５２年夏の甲子園大会で準優勝した八尾（大阪）が選ばれた。出場３校は一般選考２９校（神宮大会枠含む）とともに来年１月２５日の選考委員会で決まる。

　大阪の高校で初めて２１世紀枠近畿地区推薦校に選ばれた八尾の西浦謙太主将（２年）は緊張した表情で言葉を選んだ。

　「大阪、近畿を代表して選ばれたと思う。うれしい気持ちの反面、責任を感じているという方が大きい」

　１８９５年創立で野球部は１９１５年に創部。甲子園大会には八尾中時代の１９２６年選抜に初出場して以降、春夏合わせ１０度出場。５２年夏はエース右腕・木村保（元南海）を擁し準優勝を果たした。公立校の例に漏れず、練習環境が恵まれているとは言いがたい。グラウンドは他部と共用で、使えるのは週３日。外野まで使えるのは週に２時間くらいしかないという。午後７時完全下校という制約もある中で工夫をこらし、西浦も「限られているからこそ、素振りやティーの１本を大事にしています」と話す。

　指揮官の変革も実りつつある。就任６年目の長田貴史監督（４１）は責任ある練習をさせたいという考えから、昨年のチームからメニューを選手たちに考えさせてきた。長打を打てる選手が少ない分、足を絡めた積極的な攻撃を採用し、今夏は強豪ひしめく南大阪大会８強。秋は大阪大会でベスト１６に進出した。「正直、力はないが、考えて行動しようという姿は見られる」と成長を認める。

　４強入りした５９年夏を最後に聖地から遠ざかり、選抜出場なら５２年以来６７年ぶりとなる。「浮かれることなく、地に足を付けてやろうとミーティングで話しています」と西浦。吉報を信じて、厳しい冬の練習に励む。（石丸　泰士）

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