上原 巨人と再契約 菅野から背番号19再継承「汚さないようにしたい」

[ 2018年12月15日 05:30 ]

笑顔で会見する上原(撮影・西海健太郎)
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 巨人から自由契約となっていた上原浩治投手(43)が14日、東京・大手町の球団事務所で来季の契約を結んだ。シーズン後の10月に左膝を手術。球団と合意の上で自由契約となったが、患部の状態などを総合的に判断し、球団と再契約に至った。1年契約で年俸は5000万円。背番号は、今季まで菅野智之投手(29)が背負い、上原自身も昨年をのぞいてつけてきた「19」に決まった。

 また上原が戻ってきた。今度は慣れ親しんだ背番号19も背負う。契約後に取材に応じた右腕は「19をくれたというのは、すごい感謝しています。(菅野)智之が、19の株をすごい上げましたから、汚さないようにしたいですね」と上原らしく喜びを口にした。

 99年に巨人入りした際、19歳で経験した浪人生活を忘れないようにという思いから背負った。4球団に所属したメジャーでも、常に背中には「19」が刻まれた。受け継いだ菅野も2年連続沢村賞で期待に応えた。来季は上原の元に戻るが、原点回帰よりも「振り返らずに、先に進んでいきたい」と新たな軌跡をつくっていく。

 10月に手術を受けた左膝の経過は順調。現在は強めのジョギングもし、約40メートル間のキャッチボールも行っている。「キャンプに100%という気持ちはない。シーズンに100%という気持ちが強いので。4月から1軍のマウンドに立てるようにやっていく」と3月29日の開幕・広島戦(マツダ)を見据える。

 今年はメジャーから日本球界復帰となったが、巨人入団が決まったのは3月で、調整も不十分だった。7月には日本人初の日米通算100勝100セーブ100ホールドを達成したが、36試合登板にとどまった。「年内に決まってホッとしています。今年みたいに途中離脱しないように」と誓う。

 年俸は1億5000万円減の5000万円となったが、球団史上最年長の44歳で迎えるシーズン。「負けず嫌いももちろんですし、反骨心っていうのも、負けたくない、あいつがやっているんだから、ということもある」。上原からつないだ菅野が高めた「19」の価値。来季は再び上原が深みを加える。 (川手 達矢)

 ◆上原 浩治(うえはら・こうじ)1975年(昭50)4月3日生まれ、大阪府出身の43歳。東海大仰星では甲子園経験なし。大体大を経て98年ドラフト1位で巨人に入団。1年目の99年に20勝で最多勝、新人王、沢村賞を独占した。02年にも沢村賞を受賞し日本一も経験。08年オフに海外FA権でオリオールズに移籍。13年にはレッドソックスで抑えとしてワールドシリーズ制覇に貢献。18年から巨人で日本球界に復帰した。1メートル88、88キロ。右投げ右打ち。

 《来季44歳シーズンで登板ならチーム史上初》上原(巨)は今年9月23日阪神戦で自身シーズン最終登板。43歳5カ月での出場は06年工藤の43歳2カ月を抜き、球団最年長出場記録を更新した。上原が来季44歳シーズンで登板すれば、チーム史上初めてだ。なお、プロ野球最年長出場記録は15年山本昌(中=投手)の50歳1カ月。44歳シーズン以上で出場すれば史上11人目になる。

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