先月頭部死球で部員死亡…熊本西 センバツ21世紀枠候補に 遺族も後押しの言葉

[ 2018年12月15日 09:00 ]

21世紀枠候捕校に選出されたと部員に報告する熊本西・横手監督(中央)(撮影・中村 達也)
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 日本高野連は14日、第91回選抜高校野球大会(来年3月23日から12日間、甲子園)の21世紀枠候補9校を発表した。全て公立校。秋季九州大会ベスト8の熊本西は11月に部員の死亡事故が起き、悲しみと闘いながら春の知らせを待つ。出場3校は、一般選考の29校(神宮大会枠を含む)とともに、来年1月25日の選考委員会で決まる。

 亡き友を甲子園に連れていきたい――。練習をする2年生部員を集めた横手文彦監督は九州地区推薦校選出を報告した。「地に足をつけてやっていきたい。今の人数は44人ですが“45人”で戦っていきたい」と話した。

 秋の熊本県大会で準優勝し、九州大会で8強入りと躍進。16年の熊本地震では大きな被害を受け、困難克服も理由に21世紀枠の県推薦校に選ばれた。その矢先に事故が起きた。

 11月の練習試合中、秋の大会でベンチ入りしていた2年生外野手が頭部に死球を受けて亡くなった。横手監督は「(推薦辞退の)迷いもした」という。ただ亡くなった部員の家族から「21世紀枠の辞退や今後の活動停止はやめてください。今までどおり、しっかり前を見てください」と言葉を掛けられたという。

 事故後、テスト休みを経て先月30日から練習を再開。精神的に不安定な部員もおり、横手監督は部員同士で1週間で4回ものミーティングをさせた。テーマは「選ばれる可能性がある中で、21世紀枠に選ばれる覚悟はあるか」。そこで、亡くなった部員のため、家族のためにも今まで以上に頑張って野球に取り組むことを再確認。現在は部員の精神面も考えながら、練習の強度を抑えつつ汗を流す。

 21世紀枠に選出されれば、85年夏以来の甲子園だ。横手監督は「写真やユニホームを一緒にベンチに入れて戦いたい」と話す。亡くなった部員の家族の願いでもあるという。 (杉浦 友樹)

 ▽熊本西選手の死亡事故 11月18日の練習試合に代打で出場した2年生外野手が頭付近に死球を受け、意識を失った。救急車で搬送されて処置を受けるも、翌19日朝に死亡が確認された。死因は外傷性くも膜下出血。日本高野連によると、統計が残る1974年以降、投球が打者に当たっての死亡事故は3例目。

 ▽21世紀枠 甲子園への出場機会を広げるために01年の第73回大会から導入。練習環境などのハンデ克服や地域貢献など戦力以外の要素も加味する。秋季都道府県大会16強(加盟129校以上の場合は32強)以上を条件に全国9地区から1校ずつ候補校として推薦。東(北信越、東海以東)、西(近畿以西)から1校ずつ、残り7校から3校目を選ぶ。

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