阪神・西 Vの使者宣言 虎党ワクワク所信表明「甲子園を熱くする」

[ 2018年12月15日 05:30 ]

背番号16のユニホームを身に着け、ボールを手に笑顔の西(撮影・北條 貴史)   
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 オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言し、阪神移籍を表明していた西勇輝投手(28)が14日、大阪市内のホテルで入団会見を行った。上下紺色のスーツに身をまとった西の言葉の節々には高揚感がにじみ出ていた。阪神ファンへのメッセージを求められると、声を弾ませた。

 「たくさんの方に応援に来ていただいて、甲子園を熱くして、優勝目指して頑張りたいので応援よろしくお願いします!」

 矢野監督、揚塩健治球団社長と並んだ壇上でも緊張した様子を見せることなく、虎党の心を打つ所信表明だった。「甲子園」のワードを用いたのは強い思い入れがあるからこそ。菰野高時代は3年夏の甲子園大会に出場。さらに、11年4月17日楽天戦で7回1失点の好投を見せプロ初勝利を飾った場所でもあった。そんな場所が本拠地になるのだから、自然と心は躍る。

 「風が強く、夏は暑い。昔、甲子園で投げていたのを思い出すような、やりがいを感じる球場です。だから思い入れもありますし、苦手なイメージもないので、しっかり躍動していければいいかな、と思います」

 会見後は、背番号16のタテジマのユニホームに初めて袖を通した。「タイガースファンには安藤さん(現2軍投手コーチ)のイメージが強いと思いますけど、自分の背番号になれるように印象付けていきたい」。かつては岡田彰布らも背負った伝統ある番号に恥じない成績を残せば、虎党を、聖地を、ともに沸かすことができる。

 矢野監督からは、キャリアハイとなる「13勝指令」を受けたが、西がこだわるのは投球回。「平均的に6、7、8回まで投げて仕事を全うできるように。今の時代は分業制ですので200は難しい数字ですが、160から180イニングをコンスタントに投げられれば。1年間、フルで投げていればおのずと(求められる)成績は出ると思う」。自身が過去6年で4度到達した160投球回を、今季チームでクリアしたのはメッセンジャー1人だけ。「イニングイーター」としても、先発陣の柱になる自覚は十分だ。

 通算74勝を誇るが、来季はまだ29歳シーズンで上昇の余地は十分。「監督の、ファンを喜ばせたいという言葉が一番響きました。ファンと一体になって、甲子園を熱くできたら良いなと思います」。持ち味を発揮してフル回転し、口説いてくれた指揮官を男にする――。Vの使者となるべく、新天地でのミッションは定まっている。(巻木 周平)

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