これが赤ヘル野球じゃ!タナキク星 世界の小技でメジャーを逆転

[ 2018年11月14日 05:30 ]

日米野球第4戦   侍ジャパン5―3MLB選抜 ( 2018年11月13日    マツダ )

<MLB選抜・侍ジャパン>9回1死一、三塁、決勝スクイズを決める菊池(撮影・成瀬 徹)
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 侍ジャパンは13日、MLB選抜に5―3で逆転勝ちした。2点を追う9回に田中広輔内野手(29)の中前適時打で追いつき、菊池涼介内野手(28)が決勝のセーフティースクイズを決めた。広島勢が本拠地マツダスタジアムで躍動し、通算成績を3勝1敗とした。

 赤ヘル野球がメジャー軍団をあっと言わせた。2点劣勢の9回、1点返してなおも無死一塁。まずは、会沢が「しびれる場面だった」と犠打を成功させた。ここで打席に向かう田中広の背中を本拠地・マツダスタジアムの声援が背中を押す。2ボール1ストライクからイェーツのスプリットにくらいつき、中前に運んで同点とした。

 赤ヘル野球は止まらない。続く秋山の打席で、一塁走者・田中広は二盗を決めるとさらに、悪送球で三塁まで進塁。ここで秋山に敬遠が申告されて投手交代が告げられると、菊池はひらめいた。稲葉監督に自ら提案したのは、2球目のセーフティースクイズ。指揮官は「いいね」とうなずいた。そして、打ち合わせ通りの2球目、一塁側へ犠打を決めると、三塁走者・田中広はヘッドスライディングで勝ち越しの生還を果たした。

 広島が日本シリーズでことごとく通じなかった野球だった。盗塁は8度全て成功せず。日本シリーズ第6戦では、菊池が今季35度目にして初の犠打を失敗した。その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、打って走って小技で勝利を呼び込んだ。田中広は「いい流れの中で仕事ができた。(盗塁は)積極的にいった結果です」と胸を張れば、菊池は「バントはちょっと強かったけど広輔がよく還ってくれた」と笑った。

 相手先発で元同僚の前田とは、前日12日に広島から侍に選出されている全5選手で会食に出かけた。菊池は「食事のときはいつものマエケンさん。でもマウンドではメジャーリーガーの威圧感があった」と右飛に終わった打席を振り返った。会食に同席した岡田は、前田に質問をぶつけ「感覚が違うなと。向こうはデータから凄い」と“侍土産”を手に入れた。

 犠打で流れを作った会沢は言う。「シーズンでやってきたことが出せた」。赤ヘル戦士が導いた劇的な勝利。逆転のカープは、本拠地で侍にも乗り移った。(河合 洋介)

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