阪神・大山 巧打&走る4番 藤原次期オーナーに存在感アピール

[ 2018年11月14日 05:30 ]

紅白戦の初回2死一、三塁、阪神・大山は二盗を決める(二塁手・糸原)=撮影・大森 寛明
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 高知・安芸で秋季キャンプ中の阪神は、第3クール最終日の13日に紅白戦を行い、大山悠輔内野手(23)が2安打2盗塁を記録。持ち前の打撃だけではなく、足でも魅せた。視察していた藤原崇起次期オーナー(66=電鉄本社会長)の目の前で、4番候補の存在感を見せつけることに成功した。

 「感覚的なところですが、実戦の中で良い感覚のスイングができているので、続けられるように。練習でできても試合でできないと意味がないので、試合でできるように、やっていきたい」

 初回1死二、三塁で浜地と対峙(たいじ)し、1ボールから高めに浮いたスライダーを中前適時打。犠飛でも1点の場面だけに強引にならず、コンパクトなスイングで確実に先制点を生み出した。

 3回1死二塁の第2打席では進塁打を意識した右方向を狙ったスイングで右前打とし、一、三塁にチャンス拡大。柔軟な打撃に矢野監督も、「豪快な部分と、ああいう風な部分というのが重なってくると、当たり前やけど(打)率も上がる」とうなずいた。

 だが、この日の見せ場は打席だけじゃなく、2盗塁と足でも魅せた。初回の安打の後、次打者・原口の打席間に梅野から1つ目を決めると、4回の第3打席に相手失策で出塁した際には、同じく原口のカウント1―1からスタートし、坂本の送球をしのいで2つ目を記録。ノーサインで行われたゲームだから自己判断。「打つ、守るだけじゃないので。全部がんばります」と、果敢にトライした。

 「自分で何かを感じ取ってしか行けない状況をつくっているので、あそこでスタートを切ったというのはすごく価値があると思う。そんな、バンバン走れるとは思っていないけど、要所、要所と言ったらアレだけど、そういう数(盗塁)は増えていくんじゃないかな、と思っている」

 中心選手には、走攻守、全てにおいて高いパフォーマンスが求められる。その可能性を見込んでいるからこそ、指揮官は期待を寄せる。大山の盗塁数は、昨季75試合で2個、今季は117試合で5個。長所の打撃と守備に加えて「走」も充実してくれば、選手としての価値は上がり、幅も広がっていく。(巻木 周平)

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