【大阪】関大北陽 強豪・大阪桐蔭破り17年ぶり頂点へ前進

[ 2016年7月22日 05:30 ]

<関大北陽・大阪桐蔭>優勝候補の大阪桐蔭を破り、完投した関大北陽・清水が喜びを爆発させる

第98回全国高校野球選手権大阪大会3回戦 関大北陽2―1大阪桐蔭

(7月21日 舞洲)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は21日、41大会で207試合があった。大阪大会では、関大北陽が今秋ドラフト候補の150キロ左腕・高山優希投手(3年)擁する大阪桐蔭に逆転勝ち。17年ぶりの夏出場へ前進した。70年春の選抜大会で準優勝するなど、かつての「私学7強」の一角を占めた同校。同じく私学7強と形容された大体大浪商、明星もそれぞれ4回戦に駒を進めた。

 27個目のアウトを右飛で奪うと、マウンドの関大北陽の清水は右の拳を握りしめた。春の準決勝で8回5失点完投で敗れた大阪桐蔭との再戦。低めを丁寧に突き、宝刀スライダーを効果的に織りまぜ、失点はソロ弾だけに封じた。

 「春に負けて大阪桐蔭を目標に練習を積んできました。でも終わりじゃない。一戦一戦です」。

 昨秋はベンチ外で、背番号1を背負ったのは今春から。春の敗戦で「動じなくなった」鉄のハートで立ち向かった。打線が報いたのは0―1の4回だ。1死一、二塁から川崎が左翼線に2点適時二塁打で逆転。殊勲の5番打者は「とにかく夢中でした」と胸を張った。

 08年4月に北陽から現校名へ。かつて「私学7強」の一角を成した名門校も近年は大阪桐蔭や履正社の台頭で甲子園出場は07年選抜を最後に遠のく。辻本忠監督(39)は新納弘治前監督からバトンを受け、14年8月に就任。6月中旬の強化合宿で1日1000スイングをノルマに課した。猛練習で心の弱さを払しょくするのが狙いだった。

 6月24日の抽選日。大阪桐蔭と同居する組み合わせを伝えると、65人の部員から「よっしゃ!」の声が上がったという。「これで戦えると確信しました」と頼もしげに部員を見つめた。「古豪と言われることに違和感があります。強豪校と言われるように」。難関を突破した勢いそのままに17年ぶりの頂点へ突っ走る。(吉仲 博幸)

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2016年7月22日のニュース