【青森】八戸学院光星　ノーシードから２年ぶり８度目の甲子園へ

[ 2016年7月22日 05:30 ]

第９８回全国高校野球選手権青森大会決勝八戸学院光星１１―０大湊

（7月21日青森市営）
　第９８回全国高校野球選手権大会（８月７日から１５日間、甲子園）の青森大会決勝が２１日に行われ、八戸学院光星が大湊に１１―０で大勝。２年ぶり８度目の出場を決めた。準々決勝の弘前東戦では８失点と乱調だったエース右腕・桜井一樹投手（３年）が８安打無四球、１０奪三振の完封勝利。春夏連続の全国切符を引き寄せた。甲子園では東北勢初の優勝を目指す。

　９回２死一塁。１０７球目。最後の打者・飯田が打ち損じた力のないゴロを、エース桜井は落ち着いてさばいた。一塁の益田のミットにボールが収まる。背番号１は駆け寄ってきたナインを迎え入れ、歓喜の輪の中心で誇らしげに笑った。

　「安心というか、喜びで一気に体の力が抜けるような感じだった。（弘前）東のときに打たれていたので、見返してやるという気持ちがあった」

　４日前の屈辱を晴らした。１７日の準々決勝・弘前東戦は投球リズムが悪く、完投勝利も１５安打を浴びて８失点。打線が奮起して敗戦こそ免れたが、エースとしてふがいなさが残った。試合後、周囲から「（左）足を上げてからタメがない」と指摘され、左手のグラブで壁をつくってから投球するように修正した。

　この試合は持ち前の直球で押す投球がよみがえり、三塁を踏ませず１０奪三振完封。４回と６回には３者連続三振を奪い、大湊につけ入る隙を与えなかった。「（試合前は）正直投げるのが嫌というか…不安の方が強かったけど、３回に（味方が）８点取ってくれて、そこから自分のペースで投げることができた」。自信を取り戻した右腕は充実感を漂わせた。

　チームは昨夏、青森大会決勝で三沢商に延長１２回の末に１―２でサヨナラ負け。今春の青森県大会は弘前学院聖愛に５―６で初戦敗退を喫して、今夏はノーシードからのスタートだった。決勝の相手は、青森山田など強豪私学を連破し、勢いに乗っている大湊。決勝前、１学年上の内野手、中崎寿希也（現奈良学園大）から届いたメールは「油断するな」。その言葉を胸に刻み、序盤で点差が開いても最後まで気を緩めることはなかった。

　今センバツは１回戦・開星（島根）で２失点完投勝利。０―２で敗れた２回戦・龍谷大平安（京都）戦は６回途中から先発・和田悠弥投手（３年）を救援して２回２／３を無失点と好投した。それでも桜井は「センバツは満足のいく投球ができなかった」と振り返る。

　「春は上半身だけで投げてしまったので、下半身もしっかり使って自分の満足のいく投球ができれば」。たくましさを増した右腕が、優勝旗の「白河の関」越えの立役者となる。（原田　真奈子）

　▼八戸学院光星・奥村主将　春は１勝どまりだったが、夏は２、３勝と勝ちを積み上げていきたい。目標はもちろん全国制覇。

　▼八戸学院光星・小林　打点は意識していなかったが、チャンスでは勝負強くなった。