【福島】ノーシード学法福島“いつも笑顔”で55年ぶり4強

[ 2016年7月22日 05:30 ]

<学法福島・学法石川>最後の打者を打ち取り、もう1人のエース佐藤巧麻(3年)と抱き合う長田(右)

第98回全国高校野球選手権福島大会準々決勝 学法福島7―0学法石川

(7月21日 いわきグリーンスタジアム)
 準々決勝4試合が行われた。ノーシードの学法福島が第3シード学法石川を7―0で撃破し、1961年以来55年ぶりの4強入り。先発した左腕・長田聖也(3年)がスライダーを駆使し4安打完封の好投を見せた。日大東北は3度の逆転の末、延長10回8―7のサヨナラで磐城に競り勝ち4年連続のベスト4進出。4年連続で聖光学院との対戦が決まった。準決勝2試合はあす23日、郡山市の開成山野球場で行われる。

 最後の打者を打ち取ると、学法福島ナインが顔をくしゃくしゃにして歓喜の輪をつくった。ノーシードから4強の快進撃。宍戸亨監督(63)は「各自がしっかりと役割を果たせていた」と頬を緩めた。

 チームテーマは「いつも笑顔」。「負けても悔いのないように笑って終わろう」の共通認識が開き直りを呼び、選手から「硬さ」を取り払った。得意のスライダーを駆使して4安打無四球で完封した左腕・長田は「速い球がないからコントロール重視。根を張った投球を意識して、浮かないように気をつけた」と振り返った。最速142キロを誇る佐藤巧麻(3年)がエース背番「1」を背負うが、速球に強い学法石川打線に対し、指揮官は変化球を得意とする技巧派左腕を指名。その期待に応え、球数の半分以上を変化球で組み立て相手打線を沈黙させた。

 終盤にはスリーボールノーストライクの場面を何度も迎えたが、野手からの「長田、笑顔だぞ」の声で冷静になれた。三塁さえ踏ませず「声に後押しされた」と満面に笑みを浮かべた。

 打線は初回に青津克幸(3年)のスクイズで1点を先制したが、2回以降はなかなか追加点を奪えなかった。それでも「笑顔だぞ、笑顔」の声かけを徹底したことが終盤に結実。8回に1点を加えると9回には菅野幸大(2年)の右中間への適時三塁打などが飛び出し、一挙5点でダメ押し。

 55年ぶりの4強進出に長田は「そんなに久々だと思わなかった」と笑ってみせ、「毎試合最後だと思って戦っている。次も笑顔で自分のできることを貫いて戦いたい」と意気込んだ。笑う門には福来る。スマイル軍団が最高の笑顔を披露する瞬間が迫っている。(秋元 萌佳)

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2016年7月22日のニュース