藤浪 新フォームで後半戦初登板へ 不振の前半戦から“変身”

[ 2016年7月22日 08:05 ]

新フォームでキャッチボールする藤浪

 阪神・藤浪晋太郎投手(22)が、20日の巨人戦(甲子園)で左アキレス腱断裂の重傷を負い、今季絶望となった西岡剛内野手(31)への思いを語るとともに、後半戦初登板となる22日の広島戦(マツダ)での快投を誓った。その西岡はこの日、精密検査を受け、週明けにも手術を行うことになった。

 大きな喪失感にさいなまれながらも、藤浪は懸命に前を向き、言葉に力を込めた。

 「(西岡)剛さんは後半戦、好調でしたし、普段から声をかけてもらったりしてたので…。すごく自分にとっても、チームにとってもマイナスだなと。ただ、クヨクヨしてもいられないので、しっかりカバーできるようにしたい」

 20日の巨人戦。2回2死三塁で左前適時打を放った西岡が左足を痛めて一塁手前で転倒。立ち上がれずに担架で運ばれた。直行した尼崎市内の病院で「左アキレス腱断裂」と診断され、今季絶望となった。

 大阪桐蔭の先輩で、何かと気にかけてもらうことも多く、ピンチに陥ると、誰よりも早くマウンドに歩み寄って声をかけてくれた。

 「他の投手は分からないですが、自分の場合はハッパをかけてもらっていた。厳しい言葉もありましたけど、助けてもらった。それが無くなるのは寂しいかなと」

 ふがいない投球には尻を叩かれ、好投すれば、力強いハイタッチで出迎えてくれた。後半戦初登板となる22日の広島戦は、バックから厳しくも、優しい視線を送ってくれた背番号7の無念を思い腕を振る。

 「バランスとか、足の上げ方。(先輩などに)いろいろ話を聞きながら、やってるつもり。(調整期間は)いろいろ考えながらやった。良い結果につながれば」

 前半戦を4勝5敗という不本意な形で折り返し、球宴終わりからキャッチボールでは左足を上げた際にグラブとボールを離すようにしてタイミングを取る“新フォーム”を試行錯誤。連日、キャッチボール相手を務める岩崎が「いつもとフォームは明らかに違いますね。試してるんだと思う」と話せば、金村投手コーチも「明日、分かるよ」と“変身”を予告した。

 「勝ちがつくのはタイミングだと思うので、負けない投球をしたい。チームが勝ちにつながる投球をできればいい」

 金本監督からは後半戦登板試合の全勝指令も出た。若きエースの真価の問われる16年夏。傷ついた猛虎を快投で甦らせる。 (遠藤 礼)

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2016年7月22日のニュース