球児、西岡の無念は俺が背負う「剛が心配。感じる部分は当然ある」

[ 2016年7月22日 07:13 ]

藤川は広島に向かう駅でファンに囲まれる

 自らの偉業など阪神・藤川にとっては関係ない。大きな痛手となった西岡の離脱。伸び悩む若手。かみ合わないチーム。金本阪神に次々と訪れる試練もすべて、この男は背負い込む覚悟だ。

 広島出発前、日米通算1000奪三振にあと4に迫まっていることを聞かれても、真っ先に口を突いたのは仲間の離脱についてだった。「剛がああいうことになったんでね。剛が心配。(今季に)懸けている選手だったから。ああいうのを見て感じる部分は当然ある」

 投手と野手の違いはあれど、ともにメジャーを経験した実績豊富な選手の1人。そんな男の無念や、チームへのダメージがどれほど大きなものか。それは誰よりもわかる。だからこそ、その代役になり得る若虎たちには厳しい言葉を投げかけた。「首脳陣もそういうつもり(将来性も含めて)で起用しているんだろうけど、本当は、若いというだけでは済まされない」。

 開幕から積極起用されながら結果を残し続けることができていない事に、漏れた言葉は正直な思いだろう。だが裏返せば真意は大きな期待の裏返しであることは言うまでもない。また、低迷の理由がそれだけではないことも十分わかっている。

 「僕も含めてみんなそういう思い(なんとかしたいという気持ち)でやってるんだけど、なかなかうまく(チームが)回っていない」。思いが強すぎて空回りしているのか、それがなかなか結果に結び付かないのだ。

 そんな苦しい状況にも、諦めるつもりはさらさらない。「そういう時もある。(後半戦3連敗スタートも)終わったことだから。まだまだ先はある」。首位広島まで16・5ゲーム差で借金は13。それでも、その目は上だけを見ていた。救援転向後は21試合に登板して防御率3・05。直近の登板5試合では6イニング連続無失点と、下降線をたどるチームの流れに逆らうかのように存在感を増してきている。目下7連敗を喫している鯉退治へ、この21日に36歳になった背番号18に大きな期待がかかる。 (巻木 周平)

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2016年7月22日のニュース