新井様~300号王手弾 誠也も田中も!Vへ吉兆3ラン3発

[ 2016年7月20日 05:30 ]

<広・中>3回1死二、三塁、右中間に3点本塁打を放つ新井

セ・リーグ 広島11-3中日

(7月19日 マツダ)
 劇勝の次は猛爆だ。広島は19日、中日戦(マツダ)で今季11度目の2桁得点を奪って連勝。2点リードの3回、前夜サヨナラ弾の新井貴浩内野手(39)が通算300本塁打に王手を懸ける2試合連続12号を放つと、4回には田中が9号、鈴木は13号で続いた。3本の3ラン競演は80年以来36年ぶりの快挙。投げてはルーキー・岡田が8回を5安打3失点で3勝目だ。強い赤ヘル、貯金は今季最多を更新する21となった。

 悲願のVへ吉兆だ。3度目のリーグ制覇から日本一に輝いた80年、9月17日の阪神戦(甲子園)で衣笠、水谷(2本)が放って以来となる、36年ぶりの3ラン3発。口火を切り、敵のエース・大野を粉砕する端緒を開いたのは、前夜サヨナラ弾を放った39歳だった。

 「皆が出塁してつくってくれたチャンスだったので、何とかしたいと思っていた。いいホームランになった。最高の結果になってよかった」

 3回だ。先頭・岡田から3本の中前打で無死満塁の好機を築き、丸の押し出し四球、ルナの右犠飛で2点を先取。なおも1死二、三塁で打席に新井が向かう。1ボールから真ん中低めツーシームを振り抜くと、打球は右翼席へ一直線。前夜と同じ方向、同じ放物線を描く12号3ランとなった。

 「右へ行っているのはたまたま。流そうという意識はまったくない」

 今月2、3日のDeNA戦(横浜)以来、今季2度目の2試合連発。前回広島在籍時の07年4月以来、9年ぶりとなる月間7本目のアーチだが、直近4本はすべて右方向への打球だ。43本塁打を放ってキングに輝いた05年も右への一発が少なくなかった。ベテランは独特の表現で、量産と打球方向を自己分析する。

 「しっかり自分の形で打てているのがいいのかな。ライトへ流すというよりも、右へ引っ張っている感じ。春先もセンターから右への打球が多かったけど、下半身を意識し、春先よりも力強い打球が飛んでいると思う」

 自画自賛の一撃で、史上42人目となる300本塁打に王手。打点も69として、目下三冠王のヤクルト・山田と3差に肉薄し、射程距離に捉えた。ベテランが打線を勢いづけると、後は若ゴイが大野をつるべ打ちだ。4回に田中が9号3ランを右翼席へ運べば、鈴木も負けじと13号3ランを左翼へ。まさに猛爆。貯金は今季最多の21となった。

 「それは関係ない。また明日の試合にしっかり準備して臨むだけ」

 竜の闘志を削ぐ大勝劇にも新井は浮かれない。25年ぶりの悲願へ、強い赤ヘルがセ界の頂点へ向かってばく進する。(江尾 卓也)

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2016年7月20日のニュース