初出場のきらやか銀行1勝!タイブレーク制し山形勢初勝利

[ 2016年7月20日 05:30 ]

<パナソニック・きらやか銀行>スタンドの声援に応えるきらやか銀行ナイン

第87回都市対抗野球第5日・1回戦 きらやか銀行4―3パナソニック

(7月19日 東京ドーム)
 1回戦3試合が行われた。今大会唯一の初出場チーム、きらやか銀行(山形市)はパナソニック(門真市)を4―3で下し、山形県勢初勝利を挙げた。今大会初のタイブレークとなった延長13回に長谷川徹主将(27)が決勝犠飛を放った。西濃運輸(大垣市)は佐伯尚治投手(33)が大阪ガス(大阪市)相手に5安打完封勝利をマーク。JR九州(北九州市)は4年ぶりに初戦を突破した。

 4000人以上が集まった三塁側応援席が、ドッと沸いた。初出場で都市対抗初勝利を挙げたきらやか銀行の長谷川主将は「山形の皆さんに“必ずいい報告をする”と言っていたので、それがかなって良かった」と胸をなで下ろした。

 2点リードの9回に同点に追いつかれた。50度目の出場を誇るパナソニックは、簡単には勝たせてくれない。延長12回からは1死満塁で始まるタイブレーク。1点ずつを取り合った。13回は先頭打者で打席へ。代わったばかりの四丹(したん)の初球を決勝の右犠飛。「右方向への打球は自分の持ち味」と胸を張った。自宅マンションの駐車場で、雪が積もればエレベーターホール前で、素振りをしただけ自信になっていた。

 チームの前身は山形相互銀行で野球部は52年創部。07年からクラブチームで活動し、一時は部員13人になった。殖産銀行と合併し07年5月に「きらやか銀行」が誕生。再び企業チームに戻った。

 今季のスローガンは「集大成」。結果が出ないチームはいつまで存続できるか分からない。危機感を感じた長谷川は「ラストチャンス」と位置づけた。ナインは銀行の窓口業務や営業職で仕事をしてから練習に向かった。創部65年目で初出場を決めると、各部署で祝勝会を開いてくれた。

 東京ドームの応援席は、チームカラーの赤に染まった。大向誠監督は「真っ赤になってありがたかった。感動した。皆さんのおかげ」と胸を詰まらせた。冬場は約5カ月間、雪のためグラウンドは使えない。体育館に設置された手作りのブルペンや打撃練習ケージで、技術を磨いてきた。山形県勢初勝利。その重みを、ナインはかみしめた。(川島 毅洋)

 ▽山形県勢の前回都市対抗 1950年に後楽園球場で行われた第21回大会に山形ハッピー(山形市)が出場。1回戦で古沢建設(鹿沼市)と対戦し、2―8で敗れた。

 ≪未勝利は8県≫都市対抗で山形勢が初勝利。これで同大会で白星を挙げていないのは、全国47都道府県で青森、山梨、福井、鳥取、島根、佐賀、宮崎、沖縄の8県となった。うち、山梨、福井、島根、宮崎は代表チームも出場していない。

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2016年7月20日のニュース