内海、良い時の下半身のタメ戻った!2年ぶり2桁Kで5勝目

[ 2016年7月20日 05:48 ]

<神・巨>内海は5勝目をあげファンの声援に応える

セ・リーグ 巨人6-1阪神

(7月19日 甲子園)
 6回。甲子園の一塁側の景色がよく見えるようになった。マウンド上の巨人・内海が左足1本ですっと立ち、下半身に最大限のタメをつくる。そこから右足を着地させ、上半身を一気にひねる。

 先頭の福留をスライダーで空振り三振に斬ると「奪三振ショー」が開演した。ゴメス、北條を空振り三振。7回は高山、中谷を直球で、原口をワンバウンドのチェンジアップで空振り三振に仕留め、圧巻の6者連続だ。

 「前半はのらりくらりで調子良くなかった。6回からは今季一番ボールが良く低めに決まった」。07年には奪三振王のタイトルも獲得した左腕が、2年ぶりの2桁となる11奪三振。7回1失点で今季5勝目を挙げた。

 6回からの立ち姿に集約されていた。「良いときは一塁側の景色がよく見えるんです」。オープン戦からの不調で開幕2軍スタート。球速を追い求め、腕を振ろうとするあまり、下半身のタメを見失った。体の開きが早くなり、ボールの出どころも打者から見えやすくなる。本来の「立ち姿」を取り戻すことで、この日最速141キロだった直球は切れを取り戻した。

 「勝ちを意識してガチガチになった」という5回は上体が突っ込み、腕が振れずに原口にソロを浴びたが、6回のイニング間のキャッチボールで修正。07年に自身最多の13三振を奪い「高さも雰囲気も好き」という甲子園で躍動した。

 チームは3連勝。甲子園では91年以来、26年ぶりの開幕5連勝(1分け含む)となった。6月10日以来の貯金。だが、広島との10ゲーム差は変わらない。高橋監督は「自分たちが勝たなかったら話にならない。まだそんなことを言っているあれ(時期)じゃない」と気を引き締め直した。内海も「(三振は)まぐれだと思うので、本来の打たせて取る投球を忘れないようにしたい」。決意を固め、左手で勝利球を握った。(神田 佑)

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2016年7月20日のニュース