日本ハム球団新15連勝 栗山監督命名「勝利の男神」岡がけん引 

[ 2016年7月12日 05:30 ]

<オ・日>球団新となる15連勝を達成しハイタッチで喜ぶ栗山監督(中央)ら日本ハムナイン

パ・リーグ 日本ハム4―1オリックス

(7月11日 京セラD)
 球団新!日本ハムは11日、オリックスに快勝し、球団新記録の15連勝を達成した。栗山英樹監督(55)の秘蔵っ子、岡大海外野手(24)が3安打2得点とリードオフマンの活躍を見せれば、2番・西川遥輝内野手(24)が3回に決勝打を放った。連勝が始まった6月19日時点で11・5ゲームあった首位・ソフトバンクとの差は5に縮まった。奇跡の逆転Vへ、前半戦残り2試合も連勝街道を突き進む。

 笑顔がはじけた。すっとぼけた。球団新記録の15連勝。試合後、通路でテレビ取材を受けた栗山監督は「何事かと思ったよ。普通のことだよね。緊張しちゃったよ」と照れ笑いを浮かべた。

 この日も少ないチャンスをものにした。その中心にいたのは、7試合ぶりの1番に座った岡だ。3回1死、三塁内野安打で出塁すると、西川の右中間二塁打で快足を飛ばし、一気に先制のホームイン。2―0の7回には先頭で左前打し、その後、2死二塁から中田の当たりが遊撃手・安達の悪送球を誘う間(記録は内野安打と失策)に二塁から生還した。今季2度目の猛打賞に「久しぶりの1番だったので積極的にいった」と納得顔だ。

 右足故障で開幕から出遅れたが、6月20日のDeNA戦(横浜)で昇格即スタメン出場すると、そこから14試合連続スタメン。もちろん、チームは全勝だ。明大時代は二刀流で鳴らした身体能力抜群の24歳は「たまたま良い状態の時に1軍に上がってきただけ」と謙遜するが、素質を高く評価する栗山監督は「“勝利の男神(おがみ)”だね」と目を細めた。

 快進撃の裏には不思議な導きもある。6月18日の中日戦(ナゴヤドーム)で敗れた後の夜。自宅のある北海道栗山町から訪れていた知人と食事をともにした。この時点で首位・ソフトバンクと今季最大11・5ゲーム差。指揮官は「次の日に俺の髪の毛を伊勢神宮に奉納しに行ってくれたんだよね」と明かした。勝負運の御利益があるといわれる最強のパワースポット。翌日から破竹の15連勝だ。「俺は験を担いでないんだけど、髪の毛を切りにいこうと思ったら町の人に止められたよ」。日本ハムが北海道に移転する前から同町に移住。周囲の何げない気遣いが指揮官を支えている。

 貯金は今季最多の18。試合がなかったソフトバンクに5ゲーム差に迫った。だが、栗山監督は現実を直視する。「これだけ勝っても5ゲーム差。貯金は10も違う。全然ダメ。背中が見えるまで必死に戦うだけ」。勝ってかぶとの緒を締めた。 (柳原 直之)

 ▼日本ハム・西川(3回に7試合連続安打となる決勝適時二塁打)全員で積み上げてきた。どんどん伸ばしていく。

 ≪最多は18連勝≫日本ハムが6月19日の中日戦から15連勝。シーズン15連勝は54年南海、60年大毎の各18連勝を筆頭に歴代4位タイで、チームでは07年の14連勝を抜く球団新記録になった。なお、連勝中は平均得点が5・7、平均失点が2・4。15連勝以上は延べ9チーム目になるが、期間中の1試合平均得点が5・0以上で失点2・5以下は日本ハムだけと、投打のバランスが光っている。

 ≪64度目の1球セーブ≫マーティン(日)が昨年バーネット(ヤ)以来史上58人目、64度目の1球セーブ。日本ハムでは93年金石、99年黒木、10年武田久に次ぎ4人目で外国人は初めて。

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