【東東京】中山ヒデJr青山学院・翔貴 父の言葉胸に好投7回2失点

[ 2016年7月12日 06:10 ]

<青山学院・都三商>7回2失点と好投した中山秀征の長男で青山学院のエース中山翔貴

第98回全国高校野球選手権東東京大会1回戦 青山学院8―2都三商

(7月11日 明大球場)
 勝利の瞬間、右翼に回っていた青山学院の中山は歓喜の雄叫びを上げ、ガッツポーズしながら整列に加わった。エースナンバーを背負って迎えた夏の初戦を逆転で突破。「凄く緊張したけれど、とにかく一つ勝てて良かった」と笑顔がはじけた。

 1メートル76、72キロのスラッとした体。父はタレントの中山秀征、母は元宝塚娘役トップの白城あやかとあって、甘いマスクの小顔が印象的だ。両親も見守る中、初回は「力が無駄に入ってしまった」と2失点。それでも父の「緊張は誰でもするから大丈夫」という言葉を思い出して冷静になれた。2回以降は直球中心の組み立てに変えた。5回2死満塁のピンチも強気に直球で空振り三振に仕留め、追加点を許さず7回2失点。打っても5番で6回に勝ち越しへの流れをつくる中前打を放った。

 今春都大会後、不振に陥り、上手投げのフォームを横手にするなど試行錯誤。「投手を辞めようと思った」というほど悩んだが、そんな時も父が「努力すれば必ずうまくいくから」と励ましてくれた。大好物という母お手製のハンバーグを食べれば、落ち込んだ気持ちも上向いた。基本に立ち返り不振を脱出。上手投げに戻し、エースナンバーを勝ち取った。安藤寧則監督も「選手たちが背番号1は翔貴だと言ってくれた」と信頼を寄せる。

 朝、最寄り駅まで車で送った父は「見に来られて良かった。本人は相当緊張していたと思う。指導者や仲間に恵まれてたくましくなった」と目を細め、仕事へ向かった。「こういう姿を見せられて良かった。まだサポートが必要なのでよろしくお願いします、と伝えたい」と翔貴。家族の支えを励みに、全力で最後の夏を走り切る。 
 (松井 いつき)

 ◆中山 翔貴(なかやま・しょうき)1999年(平11)3月18日、東京都生まれの17歳。小1から野球を始める。青山学院中等部を経て、高等部進学後は1年夏からベンチ入り。昨夏は背番号11、今春は背番号7だった。家族は両親と弟3人。1メートル76、72キロ。右投げ右打ち。

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