金本改革効果だ!大和覚醒5連発含むサク越え10本

[ 2015年11月5日 07:35 ]

フリー打撃でサク越えを連発し、笑顔の大和

 阪神の秋季安芸キャンプは第1クール4日目の4日、所用のために一時的にキャンプ地を離れる金本知憲監督(47)が変革の確信を手土産に帰阪した。秋季練習から強打を指示してきた大和がフリー打撃で5連発を含むサク越え10本を放つなど激変を示したのは一例だ。わずか4日間で観衆6000人となり、昨秋全日程の合算を超えるなど猛虎変革 は早くも大きな波となってきた。

 所用で安芸を離れることになっても金本監督は後ろ髪を引かれてはいなかった。うれしい手土産をもらったからだ。フリー打撃で強く、鋭い快音を重ねていたのは大和だった。75スイングでサク越えは10本を数えた。5連発もあった。今季打率・225に低迷した選手とは思えない。プロ10年間で通算1本塁打の打者の打球ではなかった。

 「陽川とか江越に加えて、大和も、上本も変わっている。『右打ちにこだわるな』という指示を彼らがどう感じているか。僕の目には逆に大和の良さが出始めた。インサイドを引っ張れるのが長所。のびのび打っているように映る。試合で結果を出して初めて『よかった』と言えるんだけど」

 秋季練習から数えて2週間。紅白戦も一度だけで、まだ実戦段階からは遠いことは分かっていても目に見える変化がうれしかった。

 陣頭に立って言葉をかけ、体を動かした4日間だった。特に上本、大和には秋季練習の頃から強打を指令。「練習から強く振らないと試合では絶対に強く振れない。選手の体つきで方向性は決めない。(体)小さくて振れないんだから、逆方向(へ打て)というのは違うと思う」。江越や陽川ら大砲候補に限らず、打者全般に強打の意識を浸透させた。体格に打撃を合わせる固定観念や先入観を排除。強く振る―という打撃の基礎であり、揺るぎない真理を説いた。

 「甲子園の秋季練習から始まって1週間。7~8日ぐらいでガラッと変わった選手も何人かいた。やっぱり目的意識を持って練習をやれば、成果が上がってくるとあらためて思った」

 現役引退から3年を経過。指導者経験がないまま監督に就いた。「経験がないから思い切ったことをやれる」。就任当初に描いた道筋に迷いはなかった。大和が見せてくれた劇的変化が背中を押してくれた。

 変革はグラウンド外にも表れた。平日ながら観衆700人を集め、4日間の合計は6000人。早くも昨秋キャンプ全日程合算(20日間で5300人)を超えた。「まったく感じないよ」。本人は首を傾げても現役時代に誇った絶大な人気と影響力は衰えるどころか増した。

 今後は鳴尾浜球場の秋季練習も視察予定。安芸には12日からの第3クールで戻る。「意味のないと思うもの(練習)は省いて、ためになる練習をいっぱいやっていきたい」。次の一手を考えながら夜空を飛んだ。(山本 浩之)

 ▼阪神・大和 ゴロというよりも、フライ。遠くに飛ばす、強く振ること。まずは自分で意識してやっていることが、できるようにしたい。(以前とは)飛距離も違うし自分の中では(打球も)強くなっているとは思う、下半身も使えている。継続していきたい。

続きを表示

2015年11月5日のニュース