和田監督絶句 サヨナラ負け直後に訃報知らされ「気持ちの整理が…」

[ 2015年9月24日 05:44 ]

<巨・神>呆然とした表情で引き揚げる和田監督

セ・リーグ 阪神2―3巨人

(9月23日 東京D)
 阪神・和田監督がダブルのショックに打ちのめされた。巨人に悪夢のサヨナラ負け。その直後、指揮官はベンチ裏の別室に呼ばれた。中村GMの死去。突然の悲報を、球団関係者から知らされた。絶句。動揺。目は充血して真っ赤だった。

 「今聞いたばかりだから…。気持ちの整理がついていない」。試合に与える影響などが考慮され、首脳陣や選手に中村GMの急逝は伏せられたままだった。

 一緒に、勝利だけを、無我夢中で追いかけ続けた。和田監督は85年に阪神入団。中村GMは当時、2軍監督だった。同じ千葉県出身で同じ二塁手。92年には当時の中村監督のもと、選手会長として激しい優勝争いを戦った。結果は2位。それでも「和田がチームをよくまとめてくれた。頼りになった」と称えられた。

 自身の監督就任1年目の12年。和田監督は「タイガースにもGMが必要。中村さんのような方がやってくれたら…」と周囲に漏らしていた。同年9月に中村GMが誕生。13、14年は2位に終わった。白星こそが最高の手向けだった。しかし、願いはかなわなかった。

 土壇場の9回1死三塁で代打・関本が同点打。だが、その裏に2イニング目の守護神・呉昇桓がつかまった。1死二塁から寺内にサヨナラ打。3連敗を喫し、18日に始まった正念場の12連戦は半分を消化して1勝5敗。シーズンは残り8試合で、首位・ヤクルトとのゲーム差は絶望的な4に開いた。

 「残り試合で一つでも多く勝つことがGMの供養になると思いますので、最後まで全力を尽くします。GMはこれからもわれわれと一緒に戦ってくれると思います」。和田監督は球団を通じてコメントした。中村GMが誰よりも望んでいた優勝。指揮官は悲痛な思いを胸に指揮を執る。

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