13年夏の甲子園V腕!西武・高橋光 高卒新人一番乗り1勝

[ 2015年8月10日 06:00 ]

<オ・西>5回1/3を無失点でプロ初勝利。ウイニングボールを手に声援に応える高橋光

パ・リーグ 西武9-0オリックス

(8月9日 京セラD)
 西武のドラフト1位ルーキー・高橋光成投手(18)が9日、オリックス打線を5回1/31安打無失点に抑えプロ初勝利をマーク。2年前には前橋育英(群馬)の2年生エースとして夏の甲子園で優勝。得意の季節に輝きを放ち高卒新人では両リーグ白星一番乗りとなった。打線は中村剛也内野手(31)が王貞治(巨人)を抜いてプロ野球最多の通算16本目の満塁本塁打を放つなど黄金ルーキーを強力に援護した。

 口を開くたび、笑みがこぼれた。試合後、高橋光は最初は引き締まった表情で報道陣の前に立ったが、我慢できない。「今でも信じられません。本当に初勝利したのかな…。チームも勝てて本当にうれしいです。(降板後は)ドキドキしながら見ていました」。初々しく表情が緩んだ。

 1メートル88の長身を生かした躍動感あふれるフォーム。左足を大きく上げ、全力で腕を振る。立ち上がり、球が暴れたがこの日の最速149キロの直球で押した。「一番良いボールが直球。それで勝負しようと、ただ思い切り投げた」。初回、2四球に自身のけん制悪送球もあり2死一、三塁のピンチを背負うも、カラバイヨを143キロで右飛に仕留めた。

 プロ初登板の前回2日ソフトバンク戦(西武プリンス)は3回0/34失点KO。立ち上がりは変化球で逃げた初黒星の反省を生かした。相手打線が2巡目に入った3回からは変化球を増やす。4回1死二塁からはカラバイヨとヘルマンをいずれもフォークで空振り三振に料理。2回までの直球攻め(36球中25球)が生きた。1―0の6回1死から連続四球を出したところで降板したが、5回1/3を1安打無失点でプロ初勝利。「ボールが多いのはいつものことなので焦らなかった」と5四球も笑い飛ばした。

 直球にはこだわりがある。群馬・利根中の卒業文集。自身の失投で、中学最後の夏が終わった悔しさを書き込んだ。「もうこんな思いはしたくない。だからだれにも打たれない直球を投げるのだ」。さらに「四年後、就職したい。プロ野球という大きな舞台」と夢を書き込んだ。前橋育英2年時の13年夏の甲子園では、全6試合中5試合を完投。同校を初出場初優勝に導いたのも、その直球だった。

 成長しているのは直球だけではない。プロ入り後は群馬の実家に帰る回数が減り、両親に「家に帰りたいな…」と漏らしたこともある。眠れない夜もあった。だが、プロの水に慣れ始めた6月に生まれて初めて父・義行さん(43)と母・尋美さん(42)を食事に招待した。埼玉県内のしゃぶしゃぶ店を自ら予約し、感謝の気持ちを伝えた。「気持ちがうれしかったです」と2人は成長を喜んでいる。

 高卒新人では両リーグ白星一番乗り。チームの連敗を2で止めた。「スタート地点に立ったばかりなので、貢献できる投球をしていきます」。大切そうに右手で握りしめていた勝利球は、両親に贈るつもりだ。(神田 佑)

 ▼西武・田辺監督 粘り強い投球をしてくれた。前回は逃げの変化球が多かったが、直球で向かっていく投球ができた。

 ◆高橋 光成(たかはし・こうな)1997年(平9)2月3日、群馬県生まれの18歳。小1から利根ジュニアで野球を始め、利根中3年時には市大会4強。前橋育英では2年夏の甲子園で初出場初優勝の立役者となった。2年時から高校日本代表入りし、昨年9月のU―18アジア野球選手権で準優勝。3年夏は県大会3回戦で敗退。14年ドラフト1位で西武に入団。1メートル88、90キロ。右投げ右打ち。

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