野村謙二郎氏が見た黒田 負けられない状況で立派だった立ち居振る舞い

[ 2015年3月30日 08:54 ]

<広・ヤ>7回2死一塁、中村を三振に斬り、雄叫びを上げてベンチに戻る黒田

セ・リーグ 広島2-1ヤクルト

(3月29日 マツダ)
 黒田は相当な重圧の中での登板だったと思う。早くから登板日が決まっていた上に、オープン戦でも好成績を残した。広島ファンだけではなく、全国のプロ野球ファンの期待と注目度もいやがうえにも高まっていた。

 いわば絶対に負けられない状況下、100点満点でもない調子で7回を無失点で投げ終えたのはさすがである。勝負所では三振を取りにいった。マウンドでの立ち居振る舞いも立派であった。

 好投手でもヒットを打たれることがある。立ち居振る舞いとは、その直後にどう対処するのか、である。投手が心の動揺を表情や態度に出すと、自軍の選手にも悪影響を及ぼす。黒田は、切り替えが早かった。これが、出来そうで出来ない。

 6回に黒田がミレッジを4球で歩かせると、内野手がマウンドに集まった。いい間(ま)の取り方だった。丸も外野のポジショニングを確認していた。チームとしての成長の証しである。その野手陣に、次は打って黒田を楽に投げさせないといけない、と強く感じた。(スポニチ本紙評論家)

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