“野球嫌い”土砂災害被災者も魅了 黒田は「本当の英雄」

[ 2015年3月30日 08:40 ]

被災地を訪れた黒田(右)と写真に納まる野間さん

セ・リーグ 広島2-1ヤクルト

(3月29日 マツダ)
 黒田の復帰戦の中継に、野間茂さん(68)は広島市東区の自宅で目を凝らした。60歳定年まで高校教諭でサッカー指導に燃えた。「大の野球嫌い」だという。それでも「この人のプレーは純粋に見たい」と言う。

 同市安佐南区緑井で暮らしていた野間さんは昨年8月20日、74人が亡くなった大規模土砂災害に遭った。土砂の撤去に取り組んでいた10月末、黒田が報道関係者に案内されてそこに現れた。名前を名乗ることはなかったが、周囲が黒田と気付くのに時間はかからない。一人が「黒田さん、今年も大リーグで頑張られたですね」と話しかけた。すると、こう答えた。

 「いいえ、本当に頑張っているのはあなたたちです」

 野間さんはその時の驚きを語る。「即答で、こういう言葉を吐ける人なんだな…と。前日に帰国し、すぐに来られたんです」。野間さんは作業の手を止め、撮影会を提案した。「本当の英雄は、そこにいるだけで周りを明るくするんだと」

 被災後、行政の対応に疑問を感じることが多かったが、黒田の言動に人間的な温かみを感じた。「メッセージ力もある黒田さんに、ぜひ広島市長になってほしい。黒田さんの加入で、この一年、広島の街は明るくなるじゃろうね」。野間さんは、黒田から勇気をもらう。

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