阪神 前ヤンキース3A建山獲得へ ブルペン駒不足解消狙う

[ 2014年6月22日 08:00 ]

前ヤンキース傘下3Aスクラントンの建山

 阪神が前ヤンキース傘下3Aスクラントンの建山義紀投手(38)を獲得することが21日、分かった。21日時点でチーム防御率はリーグ4位の4・04と低迷。ブルペンの駒不足はシーズン前からの課題だった。ついに貯金も「1」。後半戦での巻き返しへ向けて和田阪神は緊急補強を決断。中継ぎとして活躍し、メジャー経験もあるベテランに白羽の矢を立てた。すでに契約も合意間近で、一日も早い加入が待ち望まれる。

 和田阪神が緊急補強に乗り出した。今季は67試合を消化してリーグ3位とAクラスをキープ。しかし最大の目標はV奪回だ。あくまでも悲願達成を狙う猛虎が巻き返しに向けて、元メジャーリーガーである建山の獲得に踏み切った。

 「調査はしているでしょう。そういう話(調査)は聞いています」

 ある関係者も建山が調査対象者の一人であることを認めた。5月には木戸克彦、嶌村聡の両GM補佐が新戦力調査のために渡米した。米独立リーグ・ランカスターに所属する元ロッテの渡辺俊らを中心に視察。その際には高野栄一球団本部長も「詳しくは言えませんが(新戦力を)調査しているのは事実です」と、新戦力獲得に向けて調査に乗り出していることを明かしていた。

 さまざまな角度から調査を継続してきた結果、最終的にはベテラン右腕にターゲットを絞った。日本ハム時代の2004年には最優秀中継ぎ投手に輝くなど、主に救援で438試合35勝43敗27セーブ、防御率3・43。10年オフに米大リーグのレンジャーズに入団し、13年6月にヤンキース移籍した。今季はヤンキース傘下3Aスクラントンで9試合に登板。しかし5月9日には自由契約となっていた。メジャーでは通算3勝0敗1セーブながら53試合に登板した。

 阪神はシーズン前から先発投手の駒不足が明らかだった。即戦力として期待されたドラフト1位左腕の岩貞は左肘痛の影響で現在も2軍で調整中。また中継ぎ陣もベテランの福原、安藤、加藤らがフル回転を続けている。チームの補強ポイントは明確。現場からの要望も踏まえて、これまで球団側もトレードなどを含めた補強策を模索してきた。

 その結果として実績もあり、経験豊富な建山の獲得を決断した。阪神の投手陣には存在しないサイドスロー投手。入団すればチーム最年長となるが、球団は今後の活躍も見込めると判断した。

 建山が中継ぎに回れば安藤らを先発に配置転換することも可能。戦力層に厚みが増し、起用法の幅が広がることは明らかだ。すでに契約合意も間近で、近日中にも球団から正式発表される。

 ついにチームの貯金は「1」。巻き返しを図る後半戦を前に和田阪神が新戦力を武器に逆襲を狙う。

 ◆建山 義紀(たてやま・よしのり)1975年(昭50)12月26日、大阪府生まれの38歳。東海大仰星高では上原(現レッドソックス)を抑えエース。甲賀総合科学専門学校、松下電器(現パナソニック)を経て98年ドラフト2位(逆指名)で日本ハム入り。04年に最優秀中継ぎ投手に輝くなど、主に救援で438試合35勝43敗27セーブ、防御率3.43。10年オフにFA権を行使してレンジャーズ入り。13年6月にヤンキース移籍。今季はヤンキース傘下3Aスクラントンで9試合に登板し0勝1敗、防御率6.08で、5月9日に自由契約となる。メジャー通算53試合3勝0敗1セーブ、防御率5.75。1メートル78、75キロ。右投げ右打ち。

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