マー君アジアSに緊急参戦 台湾側から熱烈オファー

[ 2013年11月8日 06:00 ]

クラブハウスを訪れた田中

 今季チームを日本一に導いた楽天の田中将大投手(25)が、15日に台湾で開幕するアジアシリーズに緊急参戦することになった。7日、星野仙一監督(66)が明かした。当初は、今月中旬から千葉県内でオーバーホールする予定だったが、同投手の参加を熱望する台湾側の意向をくみ、急きょ参加が決まった。今季すでに3度、胴上げ投手となっているが、アジアシリーズ優勝が決まる場面で、4度目のサプライズがあるかもしれない。

 もはや田中は日本だけではなく、アジアの「英雄」だ。この日、アジアシリーズの直前合宿を行う岡山・倉敷に入った星野監督は「田中を(台湾に)連れていくよ。本人にも伝えた。台湾でもかなり有名になっているし、連れていかないわけにはいかん」と明かした。

 当初は激闘による疲労を考慮され、田中は今月11日から20日ごろまで、千葉県内の施設で毎年恒例のオーバーホールを行う予定だった。今回のアジアシリーズの参加メンバーにも入っておらず、星野監督も「シーズンで働かなかった選手が頑張ってほしいな」と田中を筆頭に美馬、ベテランの松井らを台湾には連れていかない方針を示していた。

 ところが星野監督の中日時代の愛弟子で現在、中華職業棒球大連盟(CPBL)の主席顧問・郭源治(カクゲンジ)氏をはじめ、台湾球界から田中の参加を望む熱烈なオファーが殺到。この日も台湾代表の呂明賜(ルーミンスー)監督が「160球を投げた次の日に投げるんだから想像を超えている。普通の選手はできない。台湾のファンも来てくれるのを楽しみにしている。私自身、目の前で見てみたい」と参加を熱望した。こうした周囲の声を受け、田中を特別に遠征メンバーに加えるという苦渋の決断を下した。

 田中は9月26日の西武戦(西武ドーム)は、1点リードの9回を締めて球団創設9年目での初優勝に導いた。ロッテとのCSファイナルS第4戦(Kスタ宮城)でも、見事に最終回を締めて胴上げ投手。日本シリーズでも第6戦で160球を投げながら、翌日の第7戦の9回に登板。今年3度目の胴上げ投手となった。そんな田中の獅子奮迅の活躍ぶりは、台湾の野球ファンにも広く知られている。

 5日に治療のためKスタ宮城を訪れた際には「とにかくホッとしている。今年はWBCも含めてシーズンが長かった」と柔和な表情で振り返っていた。日本シリーズ終了を一区切りとしていた右腕にとって、再びアジアシリーズで「スイッチ」を入れて登板することは容易ではなく負担も大きい。疲労回復が最優先事項でもあり、田中の台湾入りを決めた星野監督もこの日「試合は投げさせない」と明言した。しかし、そこは規格外の男。日本シリーズ第7戦では自ら志願し、誰もが予想しなかったマウンドに立った。アジアシリーズ優勝が懸かる場面が来たら、再びサプライズ登板する可能性もある。

 すでに米国では、今オフに田中がポスティング・システム(入札制度)を利用した場合に入札額の高騰を予想するなど「TANAKA」の話題で沸騰している。一足先に台湾で「田中フィーバー」が起こるかもしれない。

 ◇アジアシリーズ 野球の国際化、振興を目指し2005年に創設。日本野球機構(NPB)、韓国野球委員会(KBO)、台湾・中華職棒大連盟(CPBL)、中国棒球協会(CBA)各リーグの優勝チームが年間王座を争う。スポンサー撤退などで09、10年は中止。11年、台湾開催で復活し、オーストラリア野球連盟(ABF)が初参加。12年は韓国で初開催。今年は初めて欧州王者を迎える。過去、日本のチームは05年ロッテ、06年日本ハム、07年中日、08年西武、12年巨人が優勝している。

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