侍ジャパンビジネス革新 4年40億円の収入「現実的」に

[ 2013年11月8日 06:00 ]

連載・始動 小久保ジャパン(下)

(11月5日)
 統一球の無断変更問題で加藤良三前コミッショナーは辞任したが、ある関係者は「昨年の侍ジャパン監督選任の遅れこそ最大の失態」と指摘した。監督選任を一任されながら長引かせたことで、スポンサー収入などのビジネス機会を逸した。NPB事務局内でも「入るべきお金が日々消えている」とため息が漏れた。

 最終的に山本浩二氏が引き受けたが準備不足は否めず、WBC3連覇を逃した。そのショックも癒えない4月。マーケティングに精通する荒木重雄、前沢賢の両氏が事業戦略担当として日本野球機構(NPB)に加入すると、侍ジャパン事業委員会は、全ての事業計画を白紙に戻し、ゼロからグランドデザインを描き直した。

 今後50年の国内人口と野球の競技人口、ファン人口の予想推移。つまり少子高齢化に伴う危機感を数字で表し、球界全体で共有。それをスタート地点とした。5月16日にはNPBと全日本野球協会(BFJ)が「野球日本代表マーケティング委員会(JBMC)」の設立を発表。「今後はJBMCが全世代の代表チームをサポートしていく」と表明した。

 侍ジャパンの収益をアマ球界にも還元し、全世代の代表チームを強化。それぞれが「世界最強」になることをマーケティングの柱とした。ビジネス面では権利の「買い切り」などの丸投げをやめ、画期的なスキームを導入した。その手法は「企業秘密」としているが、NPBが選手会に伝えた「4年40億円」という収入予想もJBMCのメンバーによれば「現実的になりつつある」という。

 6日、都内のホテルには各世代の代表チームが一堂に会した。プロもアマも全員が同じ侍ジャパンのユニホームに袖を通し、1枚の写真に納まった。野球界にとって歴史的な日になった。

 NPB、BFJ、日本プロ野球選手会が「三位一体」となり、球界の未来を背負う新生・侍ジャパン。きょう8日、台湾で初陣を迎える。

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