黒田以来!ルーキー福井“背水の決意”で完投勝利

[ 2011年8月26日 06:00 ]

<広・横>プロ初完投勝利の福井(右)は倉と笑顔でハイタッチ

セ・リーグ 広島11―1横浜

(8月25日 マツダ)
 退路を自ら断ち、臨んだ23歳の若武者がたどり着いた先は、お立ち台の上だった。広島・福井が6安打1失点。堂々の内容で広島では97年の黒田、沢崎以来14年ぶり、セでは巨人・沢村に次ぐ今季2人目のルーキー完投勝利。「最近ずっと中継ぎの人に迷惑を掛けている。最低7回、できれば完投したいと思い投げました」。大粒の汗を滴らせながら、白い歯を光らせた。

 直球は常時145キロ前後と勢いがあり、勝負球のスライダーの切れも抜群。8回に吉村にソロを浴びて完封こそ逃したが、108球で投げきった。チームを2連勝に導き、5位とはいえクライマックス・シリーズ出場圏の3位の阪神、中日に0・5ゲーム差に迫った。

 開幕から先発ローテーションを守り続けながら、プロの壁の前にもがいていた。11日のヤクルト戦(マツダ)、17日の阪神戦(京セラドーム)と2試合連続で5回持たずKO。「情けなかった。精神的にきつかったし、もう一度下手な投球をしたら(1軍は)ないと思い強い気持ちで臨んだ」

 今月から取り組むフォーム改造が生きた。軸足の右膝が折れないよう意識し、マウンドの傾斜と平行に体重移動。普段は右膝下に多くの泥を付けていたが、今回はなし。課題の制球が安定し、四球は1つだけだった。

 「つかめたとは言えない。日々、勉強です」。沢村に並び新人トップの6勝目。新人王候補は謙虚な言葉に力を込めた。

 ▼広島・丸(3安打で自己最多の6打点)好機で消極的になっていたので、ぶんぶん振っていこうと思っていた。

 ≪次回登板で黒田超えなるか?≫新人の福井(広)がプロ初完投勝利。今季新人の完投勝利は沢村(巨)、牧田(西)、塩見(楽)に次いで4人目。広島では97年の黒田(4度)、沢崎(2度)以来、14年ぶりとなった。また広島の新人の6勝も同年に沢崎が12勝、黒田が6勝を挙げて以来。次回登板で黒田超えを目指す。

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