唐川4安打完封!負けられない理由「たくさん」

[ 2010年8月20日 06:00 ]

<日・ロ>4安打完封勝利の唐川(右)は、西村監督に笑顔で出迎えられる

 【ロッテ7-0日本ハム】後輩たちの力となれ。ロッテの若き右腕・唐川侑己投手(21)が、19日の日本ハム戦に4安打完封。今季5勝目を挙げた。母校の成田(千葉)は20日、強豪・東海大相模(神奈川)と準決勝を戦う。「高校ビッグ3」として名を上げた同じユニホームで戦う後輩たちへ。大一番を前に勇気を与えるための快投だった。

【試合結果


 ベビーフェースに隠された強さが、唐川にはある。ニコニコしながら受けたヒーローインタビュー。「負けられない理由がたくさんあったので気合を入れて投げた。自分のするべきことをしっかりと、自分の仕事をまっとうできた」。09年5月10日の楽天戦(千葉マリン)以来、プロ2度目の完封勝利を飾った3つの理由を、男らしく告白した。

 11日の千葉マリンでチームがプロ初勝利を与えた日本ハムの新人・中村との投げ合い。中7日で登板した新人に試合前から闘志メラメラだった。

 理由(1)唐川「梨田さんがずらして唐川に当ててきた」と(小林)宏之さんが言っていた。それは負けられないな、と。結果的には向こうがいいリズムだったので、それに引っ張られた」

 5回まで無失点のルーキーに対して、内容で勝った。初回、先頭の田中に中前打されたが1死一、二塁から小谷野を三ゴロ併殺打でリズムに乗った。2回以降は6回まで無安打投球の圧巻の投球を見せた。

 理由(2)唐川「投げるからにはいつも1人で投げたいと思っている。リリーフの人も疲れているので」

 前日は先発・渡辺俊が3回途中降板。6連戦の3日目で救援陣を休ませるためにと本当に完封してしまった。

 理由(3)唐川「母校が勝っているうちは負けられない。刺激を受けている部分もあるし、母校に負けないように」

 夏の甲子園で母校・成田が20日、準決勝で東海大相模と対戦。甲子園出場が決まると、関係者を通してベンチ入りメンバー分のスパイクを贈った。唐川2世と呼ばれるエース中川の4戦連続完投に負けられない。「第2試合ですか?応援します。頑張ってもらいたい」。完封のエールを甲子園に向けた。

 そして付け加える理由なら、12日のプロ初対戦以来の日本ハム・中田との再戦。空振り三振、三ゴロで抑えて8回の3打席目。3球目続けた外角直球を右前打された。「ちょっとわがままやっちゃいました。外角を3球続けたので、それはさすがに打たれますね」。7点リードの余裕を見せて捕手の的場には怒られた。それでも頭角を現してきた同期の「ビッグ3」を大いに意識した投球だった。

 負ければ4位の日本ハムに1・5ゲーム差に迫られるところで踏ん張った。右手中指骨折から復帰し連勝。「シーズン終盤になってきて1つの勝ちが大事な時期。できるもんだと思ってやってきた」。唐川の強いハートがロッテを再び上昇させる。

 ≪唐川 自己最多の5勝に並ぶ≫ロッテの唐川が昨年5月10日の楽天戦以来2度目の完封。今季5勝目となり08、09年に挙げた自身のシーズン最多白星に並んだ。唐川は前回登板(12日の日本ハム戦)、この日と併殺打を2本ずつ打たせ、2戦の得点圏被打率は・063。故障離脱前の8試合では併殺打が1本もなく、得点圏被打率も・327だったが、復帰後は粘り強さが増している。また、日本ハム戦は昨年9月12日から4連勝。通算5勝目(2敗)となり、カード別では楽天戦(5勝3敗)に並ぶ最多勝利になった。

 ▼ロッテ・西村監督(唐川の好投に)大したものですよ。唐川が復帰してくれたこと自体が大きいんだけど、2つ続けて勝ってくれたことで雰囲気を変えてくれた。しっかり抑えて点をやらない。大したものですよ。
 ▼ロッテ・的場(唐川の完封勝利を引き出す好リード)打ち合わせでカーブをうまく使おうと。きっと相手は真っすぐとチェンジアップ主体の対策をやってくるかなと思ったので。全体的によかったけど、カーブとスライダーを多めに使ってみた。
 ▼日本ハム・小谷野(唐川について)カーブが外側じゃなくて内側に落ちてくる。

続きを表示

2010年8月20日のニュース