“手負いの主将”強行出場でチームけん引

[ 2010年8月20日 21:57 ]

 【巨人12―5阪神】手負いの主将はマスクをかぶり、扇の要に座った。巨人の阿部が6試合ぶりに先発。五回に36号ソロを放つなど、攻守にチームを引っ張った。

 13日の試合で打球を受け、右ふくらはぎを打撲。19日に代打で負傷後初出場し、空振り三振に倒れた。この日、原監督は阿部の起用について「昨日の空振りを見ると、まだ厳しいかな。長期離脱を避けるような起用になる」と、強行出場には慎重だった。患部の状態はまだ万全ではない。試合前練習はいつもより軽めのメニューで、打撃練習でも、いつものような力強い踏み込みは見られない。それでも阿部は「出られる状態。やるしかない」と語り、先発メンバーに名を連ねた。
 そして結果を出した。5―2で迎えた五回の打席で、外の直球をたたくと、高い飛球は左翼席最前列に飛び込んだ。「外角の球をうまく押し込めた。試合に出ている以上、痛みは関係ない」。守っては八回まで先発ゴンザレス以下、4投手をリードし、白星をもたらした。連敗中でも仲間を鼓舞し続けた背番号10が身をもって勝利への執念を示し、力強くチームの背中を押した。

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2010年8月20日のニュース